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ロシア連邦:チェチェンの過ちを繰り返してはならない

2007年10月25日
国・地域:ロシア連邦
トピック:危機にある個人
ロシア連邦でチェチェンに隣接するイングーシ共和国では、当局による強制失踪や拉致その他の人権侵害が増加し、同国内の人権状況は急激に悪化している。アムネスティ・インターナショナルはロシア連邦とイングーシ共和国の両当局に対して、チェチェン共和国における過ちを繰り返してはならない、と警告した。

「イングーシ共和国内の一触即発の状況に対処するに当たって、ロシア当局は法に従って行動しなければならない。特に人びとを拘禁する場合は、必ずロシア国内法および国際的な人権基準に従われなければならない」とアムネスティ・インターショナルのヨーロッパ・中央アジア部ニコラ・ダックワース部長は述べた。

10月26日にポルトガルで行われるEU・ロシアサミットの前日、アムネスティはロシア連邦に対して、同国が署名した国際基準を守るように勧告する。ロシア連邦とイングーシ共和国の両当局は、治安部隊のすべての行動を国際基準とロシア国内法に基づくものであることを保証しなければならない。人権法をはじめ、「法の支配」を守ることこそを、イングーシ共和国における安全保障上の危機に対処するに当たっての核心とすべきである。

「ロシア連邦軍はチェチェン紛争で頻繁に『法の支配』を完全に無視しただけでなく、地元住民への拉致や拷問、失踪事件に対して責任を問わないことで、数千人にのぼる住民の生活に深い傷跡を残した。ロシアは、こうした行為により、国際的な地位を損なっている。イングーシにおいて同様なやり方を再び繰り返すことは、決して容認できない」とニコラ・ダックワース部長は述べた。

イングーシ共和国では、法執行官が身分を明らかにしないまま、国内パスポートのチェックをしたり拘禁したりすることがあり、覆面をしている場合もあるといわれる。2007年7月、アリ・ユルトの村落に対する明らかに報復的な家宅捜索の際、村民が一斉検挙されて殴打されたという。その際、男性7人がマガスの連邦治安局の建物に連行され、数人が虐待を受けた。また今年、ナズランの町では、捜査当局によって少なくとも男性3人が射殺された。これに対して当局は、村民が武装して抵抗したためだと述べているが、殺害の目撃者は、この男性3人は即決処刑されたと述べている。同様の事件が、マルゴベクやカラブルカの町でも起きたと報告されている。

イングーシ共和国では今年にはいって3人の男性が拉致され、いまだに所在不明のままである。さらに別の男性1人が、3月に消息を絶って以来、いまも行方がわからない。他に拉致された後に解放された男性たちもいる。しかし、虐待を受けたり、秘密の拘禁施設に入れられた人もおり、中には地面に穴を掘って埋められた人もいた。またイングーシ系の男性多数が、隣国の北オセチア共和国で行方不明になったと言われている。彼らの親族たちは、 法執行官の手により拘禁され、その後失踪させられたものと考えている。

2007年8月8日12時54分、イングーシ共和国のカラブラクで、イングーシ人の男性、イブラヒム・ガズディエフが、目撃者の証言によれば、迷彩服で武装した男に襲撃された。以降、彼の消息は不明である。非公式筋の情報によれば、イングーシ国内または隣国の北カフカス共和国で隔離拘禁されているもようである。しかし当局は、ガズディエブを拘禁していることを公式に否定した。アムネスティは、ガズディエフの身の安全に関して、重大な懸念を抱いている。検察局がガズディエフの拉致について捜査を開始したと報告されている。

「ロシア連邦およびイングーシ共和国の両当局は、こうした人権侵害を直ちに停止し、すべての申立てに対して実効性のある調査を実施しなければならない。すでに第二次チェチェン紛争における18件の人権侵害に関して、ヨーロッパ人権裁判所はロシアに責任があると裁決しており、さらに多くの事件が審議される予定である。こうした人権侵害がイングーシにおいて繰り返されてはならない」とニコラ・ダックワース部長は述べた。

アムネスティはまた、武装グループの関与が取りざたされる、拉致を始めとする、民間人への人権侵害についても懸念している。また身元不詳の武装した複数の男たちによって、多くの民間人が襲撃されているという情報も入手している。ロシア人家族が殺害され、その被害者の一人の葬式で爆弾によって数人が負傷した。こうした攻撃によって、ロマの家族、2人の韓国人男性、ダゲスタン人の家族なども殺害された。同時に武装集団は、イングーシの法執行機関に対しても攻撃をかけ、死傷者を出している。

AI Index: EUR 46/045/2007
2007年10月25日

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