パキスタン:アムネスティ事務総長が人権と正義を要求する請願を提出

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2007年11月15日
国・地域:パキスタン
トピック:
アムネスティ・インターナショナル事務総長アイリーン・カーンは本日、弁護士や判事、ジャーナリストらを含む代表団の団長としてロンドンのパキスタン高等弁務官事務所を訪れ、パキスタンにおける人権と正義の回復を求める請願書を提出した。

ペルヴェズ・ムシャラフ大統領あての請願書は、パキスタンにおける表現の自由の完全な尊重、非常事態下で恣意的に拘束されたすべての人びとの釈放、独立した司法制度の復活、強制失踪させられた犠牲者のための裁判、そして民間人に対する軍事法廷の適用禁止を要求している。

「ムシャラフ大統領は、パキスタンの活動的な人権団体、裁判所や独立メディアに対する無法な攻撃をただちに終わらせなければならない。彼は安定のための保証人であるこれらを擁護していると主張しながら、『テロとの戦い』の名のもとに排除しようとしている」とアイリーン・カーンは述べた。

英国のジャーナリスト国民連合事務局長ジェレミー・ディアは次のように述べた。「最近、パキスタンでは衛星通信のパラボナアンテナやラジオの販売が激増している。これは人びとの独立系のニュースへの強い関心を示すものである。自由なメディアの存在は、民主主義に対する人びとの信頼を確保するために不可欠である。ムシャラフ大統領の行動は国内の諸問題を悪化させて、恐怖と疑惑の風潮をつくりだしている。ジャーナリストは脅迫や嫌がらせを受けることなく、自由な活動ができなければならない。パキスタンは国際的な義務を遵守し、メディアに対する攻撃を中止しなければならない。」

アイリーン・カーンとジェレミー・ディアに加えて、イングランドおよびウェールズ弁護士評議会人権委員会委員長マーク・ミュラー勅撰弁護士が請願の提出に名を連ねた。

アムネスティはまた、パキスタンが国際人権法に抵触する非常措置を解除するまで、すべての国々に対し軍事援助を含むあらゆる治安協力活動の即時停止を要請する。

背景情報:
陸軍参謀長としての権限により、ムシャラフ大統領は11月3日、、恣意的に生命を奪われない権利や公正な裁判を受ける権利を含む憲法の大部分を停止した。彼は議会の手続きなしに憲法を改正する権限を掌握し、暫定憲法命令(PCO)を公布した。この命令は大統領、首相およびその職権に基づく権限の行使者に反対するいかなる裁判所命令も禁止している。

この命令により最高裁判所の判事たちは、PCOを承認する新たな宣誓をするまで事実上職務を停止させられている。最高裁判所の判事17人のうち宣誓したのは5人だけである。最高裁判所や地方高等裁判所の判事たちの多くは、現在事実上の自宅軟禁状態にある。

PCOの公布以来、パキスタン全土で数百人の弁護士、人権活動家や政治活動家が逮捕され、また恣意的に拘禁された。独立系のテレビ局やラジオ局のニュースは国内では放送できなくなっている。印刷や電子メディアの自由を規制する新しい法律が制定され、違反した場合には3年から4年の拘禁刑と重い罰金が課せられることになった。

AI Index: ASA 33/041/2007
2007年11月15日

 

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