- 2023年12月12日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:パキスタン
- トピック:女性の権利
パキスタンのコヒスタンで11月下旬、18歳の女性がジルガ(伝統的な部族評議会)の長老の命令を受けた父親と叔父に射殺された。いわゆる「名誉殺人」で、インターネット上で女性の画像が拡散されたことが殺害の理由だった。
パキスタン政府はこれまでのところ、家父長的な暴力を維持する法制度を運用するジルガの超法規的権力に歯止めをかけることができず、深刻な懸念となっている。
以前、同国の最高裁判所は、ジルガの機能は、世界人権宣言、市民的および政治的権利に関する国際規約、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約に基づくパキスタンの国際的な誓約に反するとの判決を下したことがあった。
パキスタンでは、「名誉殺人」が繰り返され、社会的な憤りが噴出し、法律が改正されたが、依然として後を絶たない。身内の殺人犯を逮捕するだけでは不十分であり、暴力に対する免罪符をなくし、この残虐な犯罪を肯定する村や部族の評議会を解体する必要がある。
背景情報
パキスタン人権委員会によると、パキスタンでは「名誉殺人」が後を絶たず、2022年だけでも384件が報告されている。加工された可能性のある被害者の画像がソーシャルメディアに掲載されると「家族の名誉」に対する攻撃と受け取られ、こうした「名誉殺人」が日常化するようになっている。
一方でジェンダーに基づく暴力事件の有罪率は、国連人口基金によれば、1パーセントから2.5パーセントと低い。
コヒスタンでは、2011年に男女6人が踊る様子を撮った動画が拡散し、ジルガの命令でこの6人が殺害される事件があった。7年後、事件の告発に動いていた被害者の弟は、身内に殺害された。2012年に最高裁がこの事件に注目したが、今年初め、証拠不十分で被告人は無罪になった。
アムネスティ国際ニュース
2023年11月30日
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