シリア:国連安保理は、シリア政府に断固たる対応を

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2011年8月 4日
国・地域:シリア
トピック:変革を求める中東・北アフリカ
現在シリアで行われている弾圧に対処するため、国連安保理はシリアの事態を国際刑事裁判所(ICC)に付託しなければならない。アムネスティ・インターナショナルは1日、このように述べた。報告によると、シリアの治安部隊がハマの町を銃撃し、これまでに数十人もの人びとが殺害されている。

国連安保理は1日、シリア全土で起こっている治安部隊による弾圧について討議を行う。ハマでは、1日には2人が、7月31日には4人の子どもを含む52人が殺害されたとみられている。

シリア全土で、このたびの殺害に抗議する大規模なデモが起こっている。

「シリア当局は、改革を求め平和的に抗議する人びとに対し、死に至る武力を行使しています」とアムネスティ中東・北アフリカプログラムのフィリップ・ルーサー副部長は述べた。

「アサド大統領が、治安部隊を抑制する意志がないのは明らかです。シリアにおける弾圧を食い止めるために、国連が行動を起こさなければなりません」

「これには少なくとも、武器の禁輸、アサド大統領および人道に対する罪に責任があると思われる政府高官の資産の凍結、そしてICCの検察官への事態の付託が含まれるべきです」

治安部隊は今から一ヵ月前、改革を求める人びとが中心拠点としているハマから撤退した。しかしここ数日、再びハマに侵入を試みている。

治安部隊と戦車は31日の朝、ハマの町に侵入し、住宅地域をマシンガンや砲弾で銃撃したと報告されている。住民たちが治安部隊の侵入を阻止しようとし、数十人が死亡した。遺体は近隣の土地に埋められたという。

ハマに4つある病院の1つに勤務する従業員は、31日に19人の遺体が病院に運びこまれたとアムネスティに語った。そのうち18人は民間人で、1人は警察官だった。すべての遺体には、頭や胸に銃撃された痕が残っていた。

警察官であるマホムド・アボウドは、デモ参加者と警察の仲裁をしていたところ、銃撃された。アボウドはその後、デモ参加者によって病院に運ばれた。

政府に対する抗議行動が始まった3月中旬以降に殺害されたと思われる、1500人以上の人びとの氏名をアムネスティは記録している。彼らの多くは、治安部隊や軍隊の攻撃によって殺害されたデモの参加者や、地域の住民であると考えられている。

国連安保理が6月にリビア政府に対して行ったのと同じように、シリアの事態をICCに付託するよう、アムネスティはこれまで繰り返し国連安保理に呼びかけてきた。

「平和的な抗議が行われるなかで、数え切れないほどの命が失われています。シリアにおける弾圧を終わらせるために、国連安保理は断固たる対応をとらなければなりません。しかしそれも今や、遅きに失しています」


アムネスティ発表国際ニュース
2011年8月1日

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