- 2011年12月 2日
- 国・地域:ミャンマー(ビルマ)
- トピック:
12月1日、ヒラリー・クリントン国務長官は2日間の予定でビルマ訪問を行うことになっている。これは、米政府高官の50数年ぶりの訪問となる。
アムネスティのビルマ専門員であるベンジャミン・ザワッキは、クリントン国務長官はビルマの指導者らに対し、すべての政治囚の釈放と少数民族を標的にすることを止めるよう訴えなければならない、と述べた。
「ビルマの人権問題の状況はある点においては若干改善されています。しかし他の多くの点では非常に悪化しています」
「米国務長官の訪問は、政府が大胆で意味のある政策をとるべきであるという明快な課題を設定している、といえます。その課題には、未だに囚われているすべての良心の囚人を一斉に釈放し、少数民族に対する残虐行為をやめることが含まれます」
ビルマは今年、少なくとも318人の政治囚を釈放した。しかし、1000人以上が未だに囚われており、その多くは良心の囚人たちである。彼らは、何人かのビルマの政府関係者が言うような「一連の措置」としてではなく、速やかで無条件に釈放されるべきである。
ここ数年間、カイン、カチンおよびシャン州などいくつかの少数民族の地域では、紛争が再発、あるいは激化しており、ビルマ軍は市民に対して広範で組織的に人権侵害を続けてきた。
ベンジャミン・ザワッキは、「クリントンはビルマ政府当局に、政治囚の釈放と少数民族の保護が実現することを何よりも期待していると、明確に発言すべきです」と述べた。
米国は、ビルマにおける少数民族に対する戦争犯罪と人道に対する罪の疑いについて国際調査委員会を設置するよう、長年にわたって主張してきた。ビルマ憲法の第445条は、過去の人権侵害に対して公務員が刑事訴追されないことを明文化している。
「クリントン国務長官は、もし政府当局が何十年にもわたる免責にはっきりとけじめをつけないのならば、国際調査委員会を通して、米国がビルマ政府の責任を追求していくつもりであると、強調すべきです」
ビルマのこれまでの政権は、人権問題に関する進展あるいは譲歩を証明するものとして外国政府と国際組織の訪問をうまく利用してきた。
◆政治囚の背景◆
ビルマにおいて何人の政治囚が現実に囚われているのか、また政治囚および良心の囚人の定義についての議論がある。
テインセイン大統領の上級政治顧問であるコウコウラインが10月19日、「約600人」の良心の囚人が未だに獄中にいると語ったと報道された。 しかし、その8日後、イラワディ誌とのインタビューで、コウコウラインは「正確な数を知らない」と認めた。良心の囚人の数は、政府の示すものと反政府勢力が示すものでは大きな差がある。
コウコウラインは、その違いは「良心の囚人と一般の囚人との定義をどのようにするかによる」とも語っている。
11月21日、「ビルマ民主の声」(DVB)は、ビルマ大統領テインセイン が最近「法を犯した多くの人びとが収監されている。我々が『良心の囚人』という言葉をある一つの集団だけに用いると、他の囚人に不公平になる」と語ったと報道している。
アムネスティは以前、刑務所を積極的に利用するという同国の制度において、多くの政治囚(その中には反政府武装勢力のメンバーもいる)が「一般犯罪者」に分類されている可能性があると懸念を表明した。
アムネスティは、政府が誰を政治囚として分類しているかを明確にするため、数と定義の違いを整理する委員会を召集するよう、ビルマ政府に要請している。すべての政治囚の身元を特定するために、ビルマ政府は上記委員会に国民民主連盟(NLD)を含めるべきであり、また、国連から援助を受けるべきである。
アムネスティ発表国際ニュース
2011年11月29日
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