- 2011年12月 9日
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:
大統領候補のウラジーミル・プーチン首相率いる政権与党「統一ロシア」による票の不正操作があったとして、抗議デモを行った反政府活動家をはじめ、その場に居合わせた300人以上が、ロシア全土の都市で警察に拘束された。
「今回の不名誉な拘束事件は、市民の表現や集会の自由の権利を軽視するロシア政府の姿勢を、再び浮き彫りにしました」と、アムネスティの欧米・中央アジアプログラム局長のニコラ・ダックワースは述べた。
「このたび拘束された人びとの大半は、ただ平和な抗議を望んでいただけです。良心の囚人である彼らは、直ちに釈放されなければなりません」
ロシア全土では、警察がデモ抗議を封じ込めるように迅速に動いた。モスクワでは、野党が赤の広場と凱旋広場で不正選挙を糾弾するデモを呼びかけた。警察はこれに対し、抗議デモに参加する可能性のある人物や、その場に居合わせた人びとを拘束した。
著名な活動家の中には、自宅で、もしくは抗議デモに向かう途中に拘束され、最大10日間の予防拘束の処分を受けた者もいた。
「モスクワにいるアムネスティの職員が、何の説明もうけず、警察に連行された抗議デモの参加者を目撃しています」とダックワースは述べた。
「抗議デモに参加する前に、拘束されてしまった人びともいます」
このたび拘束された野党の政治家の中には、現政権の反対勢力の連合「もう一つのロシア」のアンドレイ・ゴリンが含まれている。ゴリンは暴行を受け、10日間の予防拘束を言い渡されたと伝えられている。
左翼の活動家セルゲイ・ウダルツォブは、抗議デモに向かう途中で私服警官に逮捕され、5日間の予防拘束の処分を受けた。
アムネスティは、独立系選挙監視団体「ゴロス」に対する嫌がらせについても懸念している。
同団体のリリヤ・シバノバ代表はモスクワ空港で拘束され、パソコンソフトのセキュリティー上のリスクを理由に、警察にパソコンを押収された。
「ゴロス」には、独立系選挙監視機関としての義務に違反したという理由で、罰金が科せられている。また同団体のホームページは、ハッカーからの攻撃に遭っている。
アムネスティ発表国際ニュース
2011年12月5日
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