日本:人権侵害を防ぐ武器貿易条約(ATT)の実現に向けて 日本政府はイニシアティブを!

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2012年2月 1日
国・地域:日本
トピック:武器貿易条約
武器貿易条約(ATT)交渉の成否がかかった2 月準備委員会

1 月30 日、私たち「コントロール・アームズ」日本キャンペーンは、2012 年7 月に国連で開催される武器貿易条約(Arms Trade Treaty: ATT)の交渉会議を成功に導くために、日本政府のより一層のイニシアティブを求めた要請書を玄葉光一郎外相に送付しました。

7 月のATT 交渉会議が成功すれば、国際的な武器移転の基準を定める初の条約が国連において成立する可能性があります。武器の拡散や濫用を防ぎ、人びとの命を守るために、世界中のNGO が武器の国際移転の厳しい規制を訴え続け、その条約の成立を待ち望んできました。

7月のATT 交渉会議に先立ち、2012 年2 月13 日からニューヨークの国連本部において、ATT に関する最後の準備委員会が開催されます。この会議は、7 月の交渉会議の成否を左右する、非常に重要なものとなります。しかし、条約の成立を阻もうとする国もあり、さまざまな困難が予想されています。

日本はATT に関する一連の国連総会決議の共同提案国になり、これまでの準備委員会における議論に積極的に貢献し、市民社会とのオープンな対話の姿勢を示してきました。日本政府は、人間の安全保障を脅かす武器の取引を効果的に規制する条約の成立のために、今回の準備委員会で積極的にイニシアティブをとる必要があります。

【2 月準備委員会の問題点】
■ 準備委員会では、7 月の交渉会議へのNGO 参加の可否が議論されることが予想されます。しかし、NGOの参加を阻もうとしている国々があります。最終局面になって市民社会を締め出すことは、武器の拡散と濫用によって苦しむ人びとの声を交渉の場に届けることを困難にし、幅広いオープンな議論や透明性を困難にします。

■議長を交代させようとする動きや、これまで積み重ねてきた議論をもとに作られた「議長非公式文書」を反故にして白紙状態から交渉を始めようとする国々があり、条約案の形成が困難になる危険性があります。

■ 7月の交渉会議での合意のルールが議論されることが予想されます。ルール次第では、議論の進行が困難となったり、全ての国連加盟国に事実上の拒否権が与えられる状況になったりする危険性があります。

▽外務大臣への要請書
武器貿易条約(Arms Trade Treaty: ATT)に関する
2012年2月国連準備委員会に向けて
https://www.amnesty.or.jp/uploads/mydownloads/ATT_statement_20120130.pdf

* 「コントロール・アームズ」キャンペーンは、武器の拡散と乱用を防ぐために2003年10月に発足した国際キャンペーンです。アムネスティ・インターナショナル、オックスファム、IANSA(国際小型武器行動ネットワーク)などのNGOが参加しています。



アムネスティ日本発表ニュース
2012年2月1日