シリア:お粗末過ぎる、シリアに対する決議

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2012年4月18日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:シリア
トピック:変革を求める中東・北アフリカ

国連安全保障理事会が14日、コッフィ・アナン特使のシリアの内戦終結案を承認する決議をした。これは前進ではあるが、あまりにも対応が遅すぎた。シリア市民の人権が守られているかどうか、精力的な監視を行うべきである。

当決議は、戦闘の停止、シリア人が主導する政治的プロセスの開始、および広範囲に渡る人権の尊重を要求した、アナン特使の6ヵ条計画の完全遂行を要求している。

「コッフィ・アナンの6ヵ条計画を採用したことは、シリアの人権問題の解決に向けた大きな前進です。しかし、シリア政府がそれらを遵守するとは信じられません。よって、信頼性のある、徹底した監視により、全当事者に義務を遂行させることが不可欠です」と、アムネスティの国連代表のホセ・ルイ・ディアズは述べた。

当決議はまた、30人の非武装の監視団を、ただちにシリアに派遣することを承認した。

アムネスティはまた、もし武力紛争の停戦が継続した場合は、安保理は、必要な専門家や人材・設備を備えた、より大規模な監視団を設け、以下のような政府の義務を含む計画全体を、効果的に監視すべきであると述べた。

・市民の保護
・不当に逮捕された人びとの釈放を急ぎ、その範囲を広げる
・国内全域における自由な記者活動と、差別のないビザ政策を確保する
・集会の自由と、法によって保障された平和的デモ行進の自由を尊重する

「国連安全保障理事会が、シリアの武力行使を非難し、蔓延する人権侵害に関与した人びとの責任を追及したことは、前進と見られます。しかし、この1年、おもにシリア軍の手で8000人が殺害され、何千人もが不当逮捕や拷問を受けてきました。今回の妥協的な決議は、あまりにもお粗末すぎます」と、ホセ・ルイ・ディアズ代表は語った。

アムネスティ発表国際ニュース
2012年4月14日

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