エルサルバドル:政府は直ちに女性の生命を救え

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2013年6月 3日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:エルサルバドル
トピック:性と生殖の権利

ベアトリスさんを救うため、声をあげる女性たち
ベアトリスさんを救うため、声をあげる女性たち

一人の若い女性の命を救うために、緊急の治療が何としても必要だ。エルサルバドルの厚生大臣も女性の生命を維持には早期の帝王切開が必要であると提言している。

ベアトリスさん(22歳)は現在妊娠6カ月だが、全身性エリテマトーデス、腎臓疾患等、複数の重症疾患をもち、出産に持ちこたえられる状態ではない。しかし、これまで、生命を救うための医療行為が許可されなかった。

医師は、このままでは死亡の可能性があると言うが、国が妊娠中絶を完全に禁止しており、起訴されるため治療ができない。

一方、厚生大臣が歓迎すべき声明を発表した。「ベアトリスの治療に携わっている医療関係者が行う、生命を救い、健康を維持するために必要なすべての医療行為を支持する」というものだ。

厚生大臣がメディアに声明を出した同じ日、米州人権裁判所も政府に対して、必要な治療を直ちに行うよう命じた。

厚生大臣による治療行為の支持を受けて、国は行動を起こさなければならない。

これまで国が残酷にも決断を先送りしてきたため、ベアトリスさんは長期的な健康被害の危険にさらされている。意思決定権を持ったすべての人びとは、この若い女性の命を危険な賭けにすることに 、今、終止符を打たねばならない。

政府は米州人権裁判所の命令に従い、彼女の身体に長期的なダメージが残る前に、本人が希望に沿った治療を医師が施せるようにしなければならない。彼女をこれ以上待たせることはできない。

生命が危機を脱するまで、私たちは運動を継続する。

世界がエルサルバドルを注視している。政府に正しい決断を強くもとめている。

アムネスティ国際ニュース
2013年5月31日

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