- 2014年1月30日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:
ソチオリンピックの開催が間近に迫り、政治的配慮からか、ロシア当局は不当に囚われている「良心の囚人」をまた一人、釈放した。
同国の最高裁判所は1月23日、実業家プラトン・レベデフさんの刑期をすでに刑務所で過ごした期間に減刑するという判決を下し、即日執行した。本来の刑期は、2014年5月までだった。レベデフさんは、不当で政治色の濃い裁判により、投獄されていた。
最高裁の決定は、レベデフさんに3カ月早い自由を与えたが、有罪判決を取り下げるわけではないし、不当な扱いに対する補償措置を講じるわけでもない。
今回の決定は、レベデフさんの同僚で、やはり良心の囚人であったミハイル・ホドルコフスキーさんが、昨年12月に大統領恩赦によって釈放されたことに続くものであった。新恩赦法により多数の良心の囚人が、同時に釈放された。その中には、パンクロックグループ「プッシー・ライオット」のマリア・アリョーヒナさんとナジェージダ・トロコンニコワさん、ボロトナヤ広場での抗議行動で逮捕された数人もいた。しかし、依然としてロシアには囚われの身となっている良心の囚人が多数いる。
表現の自由を平和的に行使して逮捕・拘禁された人びとを、少しずつ釈放するやり方は、実効性のある法制度とはほど遠い。
ロシアはすべての良心の囚人を直ちに無条件で釈放すべきだ。そして、既に自由の身である人びとの罪を取り消すべきである。
アムネスティ国際ニュース
2014年1月23日
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