トルコ:避けられたはずの炭鉱の悲劇

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2014年5月20日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:トルコ
トピック:企業の社会的責任

5月13日トルコの炭鉱爆発事故で多数の死傷者が出た。(C)Ahmet Sik/Getty Images
5月13日トルコの炭鉱爆発事故で多数の死傷者が出た。(C)Ahmet Sik/Getty Images

トルコ政府は5月13日に発生した大規模な炭鉱爆発事故について至急調査し、鉱業界の危険な労働環境の実態調査を行い、同様の悲劇が二度と起こらないようにしなければならない。

トルコ西部のソマ炭鉱で爆発事故が起き、245人が死亡し、80人が負傷したと報じられた(14日現在)。爆発当時構内には鉱夫800人が現場にいて、死亡者数はさらに大幅に増えることが予想される。

同炭鉱はソマ・ホールディングの子会社でトルコ最大の炭鉱会社ソマ・キョミュル・イプレトメレリが所有していている。

これまでのトルコにおける炭鉱事故のなかには、1992年の黒海沿岸のゾングルダック炭鉱における爆発事故があり、263人の鉱夫が死亡した。

この悲劇は避けることができたはずだ。トルコには長年にわたり炭鉱での死亡事故が発生してきたにもかかわらず、なぜ、労働者の安全が顧みられなかったのか、と問わざるを得ない。

昨年も、野党の共和人民党の国会議員がソマ炭鉱の労災事故調査を要求する動議を提出した。その提案は野党3党すべてが賛成した。しかし、与党の公正発展党が反対し、2週間前に否決されたばかりだった。これは驚くべき事実であり、政府は人の命を愚弄している。

トルコ政府は直ちに事故原因を究明し、調査結果を開示しなければならない。ソマ・ホールディングは、調査に全面的に協力するべきだ。また、被害者と遺族に対する補償も不可欠だ。

アムネスティ国際ニュース
2014年5月14日

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