- 2014年9月 9日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:インド
- トピック:危機にある個人
インドで男性が国旗を侮辱したとして扇動罪で逮捕、拘禁された。これは、逮捕の根拠となった時代遅れの法律が、この国の自由な発言をいかに抑圧しているかを物語っている。
ケララ州警察は8月20日、その数日前に映画館で国歌が演奏された時、やじを飛ばし起立しなかったサルマン・Mさん(25歳)を逮捕した。その行為が国旗と憲法を侮辱し国歌斉唱を妨げたとして、扇動罪で起訴された。
サルマンさんはまた、8月15日に独立記念日を侮辱する記事をソーシャルメディアに書き込んだとして、情報技術法にもとづく容疑も受けた。この法律によると、極めて侮辱的、あるいは不快感や迷惑を与える情報を発信するなどの行為は犯罪とみなされる。8月25日に裁判では保釈を却下された。有罪となれば終身刑を科せられる可能性がある。
たとえ侮辱的とみなされる可能性があるとしても、このような行為で刑事責任を問うのはまったく不当である。
同国の憲法と国際法は、表現の自由の権利を認めている。表現の自由の権利には、人に不快感を与えたり困惑させたりする発言にも適用される。当局はこの基本的権利を尊重すべきであり、その権利を制限してはならない。
当局はサルマンさんの起訴を取り消し釈放すべきである。
扇動とオンライン上の言論の自由に関する現行法は、表現の自由に関する国際人権基準を満たしていない。これらの法律は直ちに廃止すべきである。
アムネスティ国際ニュース
2014年9月2日
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