- 2014年12月 4日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:メキシコ
- トピック:
ゲレロ州で43人の学生が失踪したことに対し、抗議する人びと。(C)Brett Gundlock/Getty Images
メキシコで43人の学生が行方不明になったことに抗議した11人が当局に拘禁されている。当局はこの不当な起訴を取り消し、すぐに全員を釈放すべきだ。審理は11月29日から始まった。
アムネスティはさらに、警察官が拘禁中の人たちを殴ったり脅迫したりしたという申し立てについても捜査するように要請している。
拘束されている3人の女性と8人の男性は、犯罪への関与、暴動、警官の殺人未遂の容疑で起訴されている。容疑の証拠は、逮捕した警察官の証言だけだ。信頼にたる有力な証拠が提出されない限り、デモ参加者は釈放されるべきである。
今回のような当局の行動を見ていると、当局は市民の合法的な抗議行動を抑止しようとしているのではないかと疑いたくなる。そもそも根拠のない容疑をかけるべきではない。
被拘禁者のほとんどは、拘禁中に殴られたり脅迫されたりしたと接見した弁護士に話した。弁護士らによれば、目の周りや腕に痣や傷があったという。
女性3人は、メキシコシティーから700キロも離れたナヤリット州の、警備が厳重な刑務所に拘禁されているため、家族や弁護士が接触することは非常に難しい。
連邦司法長官局は、デモ参加者に裏付けのない罪状を押し付けている場合ではない。行方不明の43人の学生の居所をつきとめ、加害者らを法の裁きにかけることに尽力すべきだ。
背景情報
メキシコ南部のゲレロ州の教員養成学校の学生43人が9月26日以来、行方がわからなくなっている。
学生たちは地元警察に連れ去られ、犯罪組織に受け渡されたという。地元当局と犯罪組織とが結託した重大な人権侵害だという申し立てもあったが、州や地元当局は何の捜査も必要ないとしていた。
失踪後、複数の場所で多数の遺体が見つかった。現在、鑑定医が調べているが、まだ行方不明の学生かどうかはわかっていない。
この件だけでなく、メキシコシティーのデモで、警官が多数の人権侵害を犯していたことを、アムネスティは確認している。
2012年12月1日と2013年11月2日、多数の抗議参加者が恣意的に逮捕され重罪の容疑で起訴された。ほとんどは数カ月後に証拠不十分で無罪となった。逮捕時や拘禁中に、数人が拷問などの虐待を受けた。これらの人権侵害は十分な裏付けとともに公表してきたが、誰も責任を問われていない。
アムネスティ国際ニュース
2014年11月27日
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