日本:国連総会における死刑執行の停止を求める決議の採択を歓迎する

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2014年12月22日
[日本支部声明]
国・地域:日本
トピック:死刑廃止

2014年12月18日、第69回国際連合総会において、「死刑の廃止を視野に入れた死刑執行の停止」を求める決議が、過去最高数である117カ国の賛成により採択された。アムネスティ・インターナショナル日本は、世界各国の決断によるこの採択を歓迎する。

同決議は、死刑制度を保持する国々に対し、死刑に直面する者の権利を保障する国際的な保障措置を尊重し、死刑が科される可能性がある犯罪の数を削減し、死刑の廃止を視野に死刑執行を停止することを要請するものである。投票の結果、38カ国が反対し、34カ国が棄権したが、過去4回行われた同決議の採択で最も多くの賛成国数となった。

第1回の同決議(62/149)は、2007年の国連総会において初めて採択された。その後、2008年、2010年、2012年にも同様に採択されている。地域を越えて世界の国ぐにが賛成票を投じ、その数は毎年増えている。2007年は賛成国が104カ国であったが、2012年は111カ国に増加した。反対国は、2007年の54カ国から2012年の41か国に減少した。2013年には、国連加盟国193カ国のうち、173カ国が死刑執行を行っておらず、加盟国がこの決議を尊重していることが表れている。

しかし、日本政府は、過去5回のいずれも反対している。賛成国は増える一方で、反対を投じ、処刑を断行したことは、明らかに死刑廃止の世界の動きに逆行している。

アムネスティが何度も問題提起しているように、本年7月に行われた国連自由権規約委員会の第6回日本政府報告書審査において、日本政府はあらためて、死刑制度の廃止を含む勧告を受けた。中でも、えん罪の可能性が高い判決であるにもかかわらず48年拘束された袴田巖さんの事件は、同委員会でも注目され、昼夜独居処遇による収容体制の見直し、情報の十分な開示、死刑事件における義務的かつ効果的な再審査の制度の確立、および拷問等による自白の証拠不採用など、委員会は厳しい勧告を出した。

死刑は生きる権利の侵害であり、残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。日本政府は、国際人権諸条約の締約国として、国連総会決議を尊重する国際的な義務を負っている。アムネスティは、日本政府に対し、死刑廃止への第一歩として本決議にそった死刑の執行停止措置を導入し、全社会的な議論を速やかに開始することを要請する。

以上