ブラジル:軍に射殺された10歳の少年に正義の光

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2015年11月27日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ブラジル
トピック:

今年の4月2日、リオデジャネイロの貧民街、アレミャオ団地で警察出動中に、黒人のエドアルド・デ・ジェズス・フェレイラ少年(10才)が頭部に銃弾を受けて死亡した。

州検察局は、少年を殺害した加害者の起訴を決定した。この決定は、警察を外部から監視する方向になりつつある良い兆候だ。

少年の死が、警察の犯罪が裁かれないことに対する闘いの転機となる可能性がある。また、今回の検察の決定は、外部から警察を監視する体制への重大な一歩である。

11月18日検察は、出動を指導した軍警察官を起訴した。その際、殺人課の内部捜査の矛盾点を指摘した。

内部捜査では、武装犯罪者との銃撃戦で流れ弾が少年に当たり死んだとしていたが、少年の家族、隣人、さらに警察官2人までもが、少年の殺害が衝突時に起きたとすることに疑問を投げかけていた。

この疑念は重大な意味を持つ。というのも、昨年と今年の2年間で警察の手で1000人以上が殺害されているが、警察はいずれも犯罪者らとの衝突時だと主張しているからだ。今回の捜査の透明性こそが、誰もが守られる社会への道となる。

ブラジルで警察による殺人が不処罰になっているのには、いくつかの要因がある。例えば、アムネスティの調査で、警察が抵抗後に死んだとしている事件では、通常の殺人事件とは対応が異なっていることが明らかだった。死体を移動したり、現場にはなかった武器や証拠品を残すなどの工作をしたりと、犯行現場をしばしば勝手にいじるのだ。

フェレイラ少年の母親は、目下アムネスティが企画した「ヤング・ブラック・アライブ」キャンペーンでヨーロッパ諸国を回っている。このキャンペーンの目的は、警察の殺人を終わらせる具体的な措置が早急に必要であること、およびブラジルで急増する若者の殺害について広く議論する必要性を喚起することにある。

アムネスティ国際ニュース
2015年11月19日

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