ブラジル:アマゾンの森林火災が激増

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2020年9月10日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ブラジル
トピック:企業の社会的責任

(C) AFP via Getty Images
(C) AFP via Getty Images

ブラジルのアマゾンでは、政府が、絶滅の危機にあるアマゾンの熱帯雨林の土地とそこで暮らす人たちの人権の保護を怠ってきた結果、驚くべき数の森林火災が発生している。

同国の国立宇宙研究所によると、今年の8カ月間でおよそ6万3,000件の火災が確認された。昨年8月から今年7月までの1年間の森林破壊面積は、前年同期比で34.5%増の9,205平方キロメートルに達する。この数字は、火災状況を撮影する衛星に不具合があった時のデータに基づくもので、データが修正されれば、破壊面積は、はるかに拡大すると見られている。

政府は5月以降、違法な森林破壊と火災を封じ込めるためとして、軍を配備してきたが、乾季に火災が再び急速に増えている。軍には、森林の放火や保護区の不法占拠を阻止する専門技術や経験がないことは明らかだ。

政府には、アマゾンの商業利用を促進するために、身内の環境保護機関を骨抜きにしたいという思惑があり、このかくれ蓑として軍を配備したのだ。

政府は、アマゾンの違法な焼き払い・伐採の監視・取り締まりの権限を、軍からそれぞれの専門機関に戻すべきだ。アマゾンを保護する唯一の方法は、政府が環境保護の専門機関の活動を後押しする政策を明確に示すことだ。そのためにはまず、予算や人的資源を復活させ、環境監視機関に活動の場を与えることだ。

国立宇宙研究所によると、全火災の74%は、政府が森林の焼き払いを禁じた今年7月半ば以降に発生している。

焼き払いは、森を切り開いて牧草地を作る「グリレイロ」と呼ばれる無法者が引き起こすことが多い。この違法行為が、同国の数千億円規模の牛肉産業を支えている。

また、過去2カ月に撮影された衛星写真には、アムネスティが最近訪れたロンドニア州の3保護地域(先住民族保護区1・開発が制限されている環境保全地区2)での火災も含まれている。

違法な牧畜 森林破壊を助長

環境保全区や先住民族の土地の不法占有の要因である牛肉産業は、森林破壊を加速化させ、先住民族らの生きる権利を奪っている。

ブラジルの中でも特にアマゾン地域では、牛肉産業がここ近年で大きな成長を見せている。同地域の牛の数は、2018年には過去30年でほぼ4倍の8,600万頭となり、全国の総頭数の40%を占めるまでになった。この拡大にともない、先住民族の土地や保全区の広大な熱帯雨林が失われた。

1988年から2014年にかけて森林破壊された地域の63%、48万平方キロメートル(日本の国土の1.3倍)が牛の牧草地に変わった。

政府の資料によると、2018年8月以降の1年で、アマゾンの先住民族保護区497平方キロメートルが失われた。その前の1年間で失われた土地の、ほぼ倍だ。

違法に放牧された牛肉がJBSのサプライチェーンに

アムネスティの最近の調査で、保護地域で違法に放牧された牛の肉が、世界の食肉大手のJBSのサプライチェーン(生産・加工・流通過程)の中に入り込んでいることがわかった。

調査ではJBSが人権侵害に直接関与した証拠は見つかっていないが、アムネスティは、JBSに対し今年末までに保護地域で違法に放牧された牛の肉がサプライチェーンに入り込まない対策を取るよう求めている。

アムネスティは、アマゾンでの違法牧畜を止めるため、オンラインでの署名運動を行っている。

アムネスティ国際ニュース
2020年9月3日

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