- 2019年3月16日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ブラジル
- トピック:
人権擁護活動家のマリエール・フランコさんと運転手アンダーソン・ゴメスさんが昨年殺害された事件で、ブラジル警察は容疑者2人を逮捕したと発表した。
昨年3月14日に2人が殺害されてから丸1年が経過した。事件は、彼女が擁護してきた多くの市民にとって大きな衝撃だった。
フランコさんは、女性、LGBTI(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス)の人びと、ファヴェーラ(貧民街)の黒人の若者の権利擁護に、人生をささげてきた。殺害は、人権擁護に奔走するマリエールさんの口を封じようとしたことは明らかだった。
この1年、ほとんど進展がなかった捜査が、今回の逮捕でようやく動いたかたちだ。
アムネスティは、独立した公正な捜査により、実行犯のみならず背後にいる関係者全員の罪を問い、公平な裁判にかけるよう、関係当局に要請する。
人権擁護に取り組む人びとが、安心して活動できる社会を作り、安全を保障してこそ、亡きフランコさんのこれまでの取り組みが報われるというものだ。
背景情報
自身もバイセクシュアルの黒人でファヴェーラ出身であるフランコさんは、2016年にリオデジャネイロ市の市議会議員に選出された。それ以前は2006年から10年間、リオデジャネイロ州議会人権委員会の委員として、警察や治安部隊による司法手続きなしの処刑などの人権侵害問題に取り組み、積極的に発言していた。昨年3月に殺害される前には、リオデジャネイロの治安への国の介入を監視することを任命された。
報道によると、殺害に使用された小型機関銃は、ブラジルでは治安部隊と軍関係者らのみに使用が許可されているものだ。
目撃者によると、銃撃時、マリエールさんの車も犯人の車も走行中で、その状態からマリエールさんの頭部に何発も命中させる正確な射撃だったことから、犯人は、特殊な訓練を受けていたことがうかがえる。
アムネスティ国際ニュース
2019年3月12日
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