エルサルバドル:流産で投獄された女性を釈放

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2016年5月26日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:エルサルバドル
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エルサルバドルの裁判所は5月20日、流産をしたために4年間獄中で過ごした女性の釈放を決定した。これは人権にとって大きな勝利だ。

2011年、流産をしたマリア・テレサ・リヴェラさん(33才)は、加重殺人で40年の実刑判決を受けた。
釈放は、女性が二流視される社会での正義に向けた一歩だ。

テレサさんが収監されるいわれは微塵もなかった。
この釈放は、これまでの政策を変えるきっかけとならなければならない。同国では、何十人もの女性が、中絶禁止法により投獄されてきた。この禁止法は、女性や少女の生命を窮地に追いやる以外の何物でもない。

マリア・テレサさんは5年前、トイレで多量の出血で意識がもうろうとしているところを義母に発見され、その後病院に運ばれた。病院の職員は、患者が中絶したと警察に告げ、テレサさんは逮捕された。

テレサさんの複数の上司が「2011年1月に妊娠をしていることを彼女は知っていた」と法廷で不利な証言をした。もしそうだとすると、妊娠11か月で流産したことになる。こんな理不尽な証言が、有罪の証拠として採用された。

しかし、裁判官は、容疑不十分だと裁定し、テレサさんは釈放された。

1998年に改正されたエルサルバドルの刑法では、いかなる状況においても中絶を禁じている。たとえ妊娠が強かんや近親相かんによる場合、あるいは命に危険が及ぶ場合でも、だ。

法が改正された結果、不当な起訴や刑法の誤用が起こり、女性は即座に有罪とみなされている。経済力のない女性は特に、この中絶禁止法の影響を大きく受けている。

アムネスティ国際ニュース
2016年5月20日

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