- 2017年7月19日
- [公開書簡]
- 国・地域:トルコ
- トピック:
私たちは、人権活動家10人が逮捕・拘禁されていることに大きな衝撃を受け、驚きを禁じ得ない。彼らは、非暴力の人権活動を行っていたことが理由で、武装テロ組織のメンバーだとして取り調べを受けている。
逮捕と取り調べは、逮捕された人たちが所属する、同国で最も知られた人権NGO6団体への弾圧であり、市民社会へのさらなる一撃である。そして、トルコが今後向かおうとする不気味な前途を暗示している。
逮捕された10人は次の人たちである。ヴェリ・アジュさん、オズレム・ダルクランさん、イディル・エセルさん、ナラン・エルケムさん、ギュナル・クルシュンさん、シェイフムズ・オズベクリさん、ネジャット・タシュタンさん、イルクヌール・ユスチュンさん(以上トルコ人)、スウェーデン人のアリ・ガラビさん、ドイツ人のピーター・スチュッドナーさん。その一人、エセルさんは、アムネスティ・トルコ支部の事務局長を務める。1カ月前には、同じアムネスティのクルチュ理事長が逮捕された。一国で同時期に、アムネスティの事務局長と理事長が逮捕されるのは、初めてのことだ。私たちはトルコ当局に、全員を即時かつ無条件に釈放するように求める。
1年前、暴力的なクーデター未遂で249人が死亡した。この事件で亡くなった人たちを悼み敬うべきであり、クーデターの首謀者は厳しい裁きを受けるべきである。
しかしトルコでのクーデター未遂事件以降の1年にわたる弾圧は、あまりに大規模で容赦ないものである。これまでに公務員10万人以上が解雇され、数万人が恣意的に逮捕され、数百の報道機関とNGOが閉鎖された。
これは、世界的に広がっている憂慮すべき動きの一部である。世界では昨年1年で、人権を擁護して立ち上がった人たちが、少なくとも22カ国で殺害され、68カ国で逮捕あるいは拘束された。議論をやめさせ、批判的な声を封じる関係当局は、自分たちが権勢を振りかざすことに自信を深めている。
この状況の中で、各国がどう対応するかは、非常に重要である。先の主要20カ国首脳会議で数カ国の首脳は、トルコの人権活動家の逮捕に懸念を表明したが、それだけでは不十分だ。今こそ、各国は立ち上がり、断固とした姿勢で、人権・尊厳・正義を支持し、この3つの価値の守護者としての市民団体が力強く活動する必要性を説くべきである。
アムネスティ・インターナショナル事務総長 サリル・シェティ
アバーズ事務局長 リッケン・パテル
ヒューマンライツ・ウォッチ事務局長 ケネス・ロス
国際労働組合総連合書記長 シャラン・バロウ
トランスペアレンシー・インターナショナル組織担当責任者 ロビン・ホデス
2017年7月14日
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