- 2017年11月21日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:
ロシアは、報道の自由をさらに規制するため、新たな法律を導入する。同法は、外国から資金を受けているメディアを「外国エージェント」とみなし、財源、財務、人員などについて、詳細な申告義務を課す。
BBC、ドイチェ・ヴェレ、ラジオ・フリー・ヨーロッパおよびラジオ・リバティーなどの外国メディアも対象となる。
ロシア連邦議会国家院(下院)の全政党が、この法案を支持しており、11月15日に可決された。この後、上院でも可決されれば、大統領の署名を経て、成立となる。
同法の発効で、そうでなくても窮地にある報道機関が、深刻な打撃を受ける。この2年間、ロシア政府は、国内外からの批判を閉め出す、報道のエコーチェンバー(特定の主張が反復・増幅され、多数がそれを真実だと思うこと)化に取り組んできた。
その結果、中立的なメディアや記者は、ほぼ毎日のように当局の報復にさらされ、多くが、ロシア報道界の中枢から追い出された。そして同法によって、ロシアで活動するメディアは、新たな次元の問題に直面することになる。
2013年に成立した「外国エージェント法」は、主にNGOを対象に統制を強化し、多数の活動を縮小させ、複数の有力な団体を閉鎖に追い込んできた。
今回の法案は「外国エージェント法」の対象範囲をメディアに拡大したものだ。ロシア国内で活動する外国メディア、ロシア語で発信する国外のメディアにも適用される。
メディアは、財源、財務、人員などについての詳細な情報の提出義務を課される。また、ウェブサイトやソーシャルメディア含むすべての媒体に、「外国エージェント」と明記しなければならなくなる。
この法案ではまた、検察庁は、「好ましくない」とみなした報道機関のウェブサイトへのアクセスを遮断する権限を持つ。「好ましくない機関」の定義は極めて曖昧で、当局の裁量で適用が可能になる。
これまではNGOが追い詰められてきたが、その矛先が報道機関にも向けられたことで、数少ない外国メディアも、残念ながら同じ運命をたどることになりそうである。
アムネスティ国際ニュース
2017年11月15日
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