- 2018年10月19日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:マレーシア
- トピック:死刑廃止
マレーシア政府は、死刑に関わる歴史的な方針転換を発表した。
法務担当のリウ・ブイキヨン内閣府大臣が10月10日、「マハティール内閣は本日、すべての犯罪に対して、死刑を廃止することを決議した」と発表した。
同国は、この7月、死刑の執行を停止すると宣言していた。
この発表は、同国の死刑廃止に取り組んできたすべての人たちにとって、画期的な前進である。
死刑は、残虐で非人道的、かつ品位を傷つける究極の刑罰である。死刑制度を廃止した国は10月10日現在、106カ国で、マレーシアが加わると107カ国となる。一刻も早い議会の署名を求めたい。
同国はこれまで、死刑の執行で国の人権状況に大きな汚点を残してきた。死刑執行を知らされるのは、わずか数日前、時に、数時間前ということもある。また、死刑囚は、恩赦を申請してもその結果は知らされない。
人権への積極的な取り組みを約束してきた新政権が、死刑廃止で大きな決断を下したのだ。しかし、全面廃止への手続きはこれからだ。
全面死刑廃止法案の審議が議会で10月15日から始まる。議会は、決して死刑に例外を作らず、内閣の全面廃止の方針を維持しなければならない。議会も、今こそ決断すべきだ。
背景
アムネスティは無条件で死刑に反対し、過去40年にわたり死刑廃止運動を続けてきた。世界死刑廃止デーである10月10日現在、世界142カ国が法的、あるいは事実上死刑を廃止している。
アムネスティが特に注視するのは、マレーシアのフー・ユウ・ワーさんのケースだ。
ワーさんは2011年、薬物売買で絶対刑(裁量の余地がない刑罰)としての死刑を宣告された。しかし、取り調べでは、不利な内容の供述書に署名を強要されていた。また、2014年、人生をもう一度やり直すチャンスが欲しいとして、恩赦を申請した。その後、死刑の執行は停止されたが、恩赦申請の結果は、いまだ告げられていない。
アムネスティ国際ニュース
2018年10月10日
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