- 2020年8月 3日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:マレーシア
- トピック:難民と移民
(C) Andrew Stanbridge / Amnesty
マレーシアの高等裁判所は7月22日、ロヒンギャの男性27人に執行される予定だったむち打ち刑を破棄する判決を言い渡した。
この4月、多数のロヒンギャ難民がマレーシアの複数の海岸にたどり着いたが、数十人が不法入国の罪で有罪となった。ミャンマーでの迫害から逃れてきた難民であるにもかかわらず、不当にも処罰の対象となり有罪判決を受け、禁錮刑を科された。さらに男性には、むち打ち3回の刑が加えられた。難民を入管法違反で処罰するのは、国際法違反にあたる。
非人道的なむち打ち刑は、そもそも科されるべきではなかった。これを破棄した高裁の判決は歓迎されるが、マレーシア政府は、収監されているロヒンギャ難民全員の釈放措置も取るべきだ。
また、今回処罰された人たちとは別に、数百人のロヒンギャ難民が施設で拘束されている。政府は彼らの拘束を解き、国連難民高等弁務官の保護下に置かれなければならない。
新型コロナウイルス感染症が流行する以前でさえ、非正規入国者の拘束は、極めて例外的な場合に限定されてきた。世界でウイルス感染が拡大するこの時期に、難民の拘束は、とりわけ正当化できない。
背景情報
高等裁判所の裁判官は、「ロヒンギャの人びとは、母国ミャンマーで発生している紛争により、国際的な保護を必要としている難民だ」とした上で、「ノン・ルフールマンの原則により、彼らをミャンマーに送還することはできない」と述べた。
※ノン・ルフールマンの原則:庇護希望者を生命・自由が危険にさらされるおそれのある国に送還を禁止する国際法上の原則。
アムネスティ国際ニュース
2020年7月22日
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