ブラジル:差別発言を繰り返す次期大統領

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2018年11月 5日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ブラジル
トピック:

ブラジルの次期大統領と次期副大統領に、ジャイル・ボルソナロ氏とハミルトン・モウラン氏がそれぞれ当選した。

ボルソナロ次期大統領は、選挙中、公然と人権に背く政策を掲げ、女性や黒人、先住民族、性的少数者などへの差別的発言を繰り返した。

それだけではない。銃規制の緩和と、事前の許可で警察官の銃の使用を認めることを公言していた。ブラジルでは毎年、6万3,000件の殺人事件が発生し、その7割が射殺である。警官による殺人も、年5,000件に達している。公言が実行に移されれば、事態の悪化は避けられない。

また同氏は、土地の境界基準を変更して資源開発プロジェクトを進める考えだが、土地を失うおそれがある先住民族には、深刻な問題である。

さらに、環境規制緩和の協議がすでに進められており、人びとの環境権が危うくなる。

ボルソナロ、モウラン両氏とも元軍人で、軍事政権時に犯された軍の犯罪を公然と擁護している。

ブラジルは、人権を擁護する人たちの殺害率が世界でも特に高い。社会運動を取り締まると発言していた人物の大統領就任で、国内および国際法で保障されている表現の自由や集会の権利がさらに脅かされる。

私たちは今、ブラジルのすべての人びとの人権を擁護しなければならないという大きな課題に直面している。アムネスティは、社会運動体、NGO、そして人権を擁護するすべての人びととともに、同国で人権がさらに保護され、抑圧が少ない社会の実現を目指して活動をしていく。

ブラジルの公的機関は、人権と人権を擁護するすべての人びとを守るために、断固とした行動を取るべきである。公的な機関には、法の支配を守り、危険な政策の実施を阻止するという極めて重要な役割がある。

そして国際社会は、ブラジルが人権を保護し、保障する義務を果たしているかどうか、注視する必要がある。

アムネスティ国際ニュース
2018年10月28日

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