ロシア連邦:「好ましくない組織」規制で初の刑事告訴

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2019年1月28日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ロシア連邦
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ロシアの検察当局は、「好ましくない組織」を禁じる法規のもと、人権擁護活動家を初めて刑事罰で起訴した。有罪には、最高6年の刑が言い渡される。

起訴されたのは、ソーシャルネットワーク運動「開かれたロシア」のコーディネーター、アナスタシア・シェフチェンコさんで、罪は、「好ましくない組織の活動に繰り返し参加した」ということだった。

「好ましくない組織」への参加が初回の場合、行政罰の対象だが、度重なる違反行為は、刑法(284条1項)で犯罪と定められている。

ここ数年、ロシアは、政府への批判に容赦のない摘発と処罰で対応してきた。今回の起訴が今後の先例になれば、表現の自由は一層、脅かされ、この国の人権擁護活動にさらなる打撃となる。

「開かれたロシア」のコーディネーターらは、1月半ばから、当局による摘発のターゲットとなっていた。ロストフ州とタタールスタン共和国の各1都市で1月21日、関係者計6人が家宅捜索を受けた。ロストフ州では、シェブチェンコさんに対する捜査もあった。

地域の学校不足を訴える動画をネットにあげた別の「開かれたロシア」のコーディネーターが1月18日、好ましくない組織に参加したとして行政罰に問われている。

一方、活動家に対する薬物関連での摘発も続いている。

1月17日、「開かれたロシア」のコーディネーターとその夫が、薬物密売の疑いで逮捕された。起訴され有罪なら、最高20年の刑を受ける。夫は、昨年11月にも警察の取り調べを受けたが、その際、「お前の持ち物に薬物を忍び込ませるぞ」と脅されたという。2人を知る人たち全員がアムネスティに対して、「容疑は、根も葉も無いでっち上げ」と断言した。他にも、多くの活動家がいわれのない薬物関連の罪で起訴されている。

アムネスティ国際ニュース
2019年1月21日

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