- 2019年4月17日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:アフガニスタン
- トピック:
国際刑事裁判所(ICC)は4月12日、アフガニスタンでの戦争犯罪などの正式捜査を認めない決定を下した。ICCの主任検察官が、予備捜査に基づき正式捜査を請求していた。被害者を見捨てる今回の決定で、国際刑事裁判所への信頼が、一層揺らぐ。
予審裁判部は、捜査開始を認めない理由として、捜査が困難を極めることが予想されること、関係国の協力が得られないこと、予算的制約の3点を挙げた。
いずれも、捜査をしない決定を正当化するものではない。重大な犯罪ほど、捜査に困難がつきまとうものだ。このような障害を理由に捜査に二の足を踏めば、決断力の欠如を見透かされるだけである。
アフガニスタンでは、過去15年以上にもわたり、人道に対する罪や戦争犯罪が横行している。そのほとんどが裁かれていない。
米軍も戦争犯罪を疑われていたが、米国は以前からICCにさまざまな圧力を加えてきた。数日前には、主任検察官のビザを取り消している。
今回の捜査が認められなかったとはいえ、新たな事実や証拠に基づき、検察があらためて捜査を求めことはできる。とはいえ、今回の政治的決定で、ICCには期待がもてないことが示された。結局のところ、臆病なICCが、いじめと脅しを武器とする米国に、屈した形となった。
ICCは、アフガニスタンの犯罪犠牲者に今回の決定を説明する道義的、法的責任がある。
アムネスティ国際ニュース
2019年4月12日
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