- 2019年5月21日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:フランス
- トピック:難民と移民
移民や難民を支援する英国人トム・チトコウスキさんが、ドーバー海峡に面したフランスのカレーで移民や難民に暴行する警官を注意したことが発端で、侮辱と暴行の罪で起訴された。有罪なら5年以下の実刑と7500ユーロ以下の罰金を言い渡される。
フランス当局は、このでっち上げの起訴を取り下げ、欧州各国は、移民・難民の支援の犯罪扱いをやめるべきである。
難民らの支援に熱心なチトコウスキさんは昨年7月末にカレーで、難民・移民に食料を配給するボランティアの身分証明書を警官が確認する様子をスマートフォンで撮影していた。その時、複数のボランティアへの暴力行為を目撃し、警官に注意したところ、押し倒され、身柄を拘束され、侮辱と暴行の罪で起訴された。
カレーの難民らを支援するボランティアはこれまでも、警察から嫌がらせや脅し、暴行を受けてきた。
欧州では、難民らの支援を犯罪行為とみなし、人権擁護活動を阻む動きが広がるが、今回の暴力と逮捕は、その動きを反映する。
窮状にある難民らの支援は、賞賛されこそすれ、排除されるのは筋違いだ。国際社会は、チトコウスキさんのような勇敢で思いやりがある人をいつにも増して必要としている。
当局は、チトコウスキさんに対する不当な起訴を取り下げるべきである。
裁判は5月15日に始まった。
アムネスティ国際ニュース
2019年5月15日
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