フランス:難民支援ボランティアを暴行した警官に有罪判決

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2021年9月 8日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:フランス
トピック:難民と移民

フランスの裁判所は、北部カレーで移民・難民を支援していた英国人トム・チトコウスキさんを暴行した警官に対し、暴行と偽証の罪で有罪判決を言い渡した。

移民・難民やその支援者に対する警察の暴力を象徴する裁判での、画期的な判決だ。

今回の警官の起訴は、ビデオの証拠と数人の活動家たちの決意と行動があったからこそ実現した。この起訴で、警官の暴力に対する不処罰はもはや容認されない、という明確なメッセージが送られることを望みたい。

判決を受けて、チトコウスキさんは次のように語った。

「長く、神経が磨り減る3年間だったが、警察が自分たちの行為の責任を問われることになって嬉しい。警察の暴力が野放しで処罰を受けないなら、警察全体が内部から腐敗する。今回のような事例が記録され、明らかにされることが、極めて重要だ」

「私たちが警官の暴行の様子を動画に撮っていなかったら、どうなっていたかと思うと、ぞっとする。自分自身が今日、有罪になっていたかもしれない。この判決が、カレーをはじめあらゆる場所で、移民・難民を敵視する風潮の見直しにつながればいいと思うし、各地で悪戦苦闘する難民らや支援者に思いやりのある新たな対応が取られるようになってほしい」

背景情報

チトコウスキさんは2018年7月、移民・難民が集まるカレーで一人の警官が、別の支援者に暴力を振るっている様子をスマートフォンで撮影した直後、警官に激しく突かれて拘束された挙句、警察への侮辱と暴行の罪で起訴された。

当時の欧州では、移民・難民の権利擁護に立ちあがる人たちの意欲を削ぐために、支援行為を処罰する風潮が拡大していたが、チトコウスキさんの逮捕と起訴は、その風潮を反映していた。

暴行の被害者として扱われる代わりに、虚偽の容疑で被告人として何度も法廷に立たされてきたチトコウスキさんは2019年6月、ようやく無罪を言い渡された。

アムネスティ国際ニュース
2021年9月2日

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