日本:世界に背を向ける死刑執行

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2019年8月 5日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:日本
トピック:死刑廃止

8月2日、日本で2人に死刑執行が行われた。日本政府が人命をひどく軽んじていることの表れである。

ますます多くの国が、法律上または事実上死刑を廃止するという世界の潮流の中、日本は、最も残虐で不可逆的な極刑の執行にこだわり続けている。死刑を存置し続ける日本政府の姿勢は、嘆かわしい限りである。

来年4月に京都で国連犯罪防止会議が開かれるが、日本政府はこの機に国際人権法と国際人権基準に完全に準拠するよう刑事司法制度を見直すべきである。

アムネスティは、日本政府に対して死刑の廃止に向けた第一歩として、直ちに死刑の執行を全面的に停止し、市民を巻き込んだ、十分な情報に基づく議論の開始を求めたい。

背景情報

処刑されたのは、東京拘置所で庄子幸一さん(64才)、福岡拘置所では鈴木泰德さん(50才)だった。いずれも殺人罪に問われて、死刑が確定した。2人が処刑されたことで、残る死刑確定者は110人となる。

今年初の死刑執行となるが、安部政権下での執行数は38人に達する。

日本では死刑の執行は、秘密裏に行われる。本人が執行を知らされるのは通常、数時間前だが、通告されないこともある。家族への通知は通常、執行が行われてからだ。

第14回犯罪防止・刑事司法会議は、2020年4月、京都で開催される。

政府、政府間組織、非政府組織など刑事司法の専門家や学者が一堂に会し、犯罪予防と刑事司法に関する知見を共有し、問題の解決策を探るフォーラムである。複数のパネルセッションで、日本および世界の死刑状況について議論される。

アムネスティは、犯罪の性格や犯罪者の特質、執行方法を問わず、例外なくすべての死刑に反対する。アムネスティは、過去40年以上、死刑廃止を求める運動を続けてきた。

アムネスティ国際ニュース
2019年8月2日