- 2019年9月13日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:エルサルバドル
- トピック:女性の権利
死産で殺人罪に問われ、一審で有罪、差し戻し審で無罪の判決を受けたエベリン・エルナンデスさん(21才)の裁判で、検察は9月6日、上訴を決めた。
エルナンデスさんを犯罪人にすることにこだわる検察の判断は、またしても女性に対する差別的な組織体質を見せつける形となった。
何の落ち度もない女性を罪に問うのは検察の恥さらしであり、直ちに上訴を取り下げると同時に、エルナンデスさんはじめ、すべての女性の自由を不当な理由で奪わないことを約束するべきである。
背景情報
エルナンデスさんは、2016年4月に自宅で気を失い、病院に運び込まれた時には、胎児は死亡していた。その後、警察に通報され、加重殺人罪で実刑30年の判決を言い渡された。昨年、高等裁判所はこの判決を破棄し、裁判のやり直しを命じた。
8月19日、差し戻しを受けた裁判所は、犯行を裏付ける証拠が不十分だとして無罪判決を下した。この判決を不服として検察は上訴することを発表した。
エルサルバドルでは、どのような場合でも妊娠中絶は違法とされるため、妊娠中の異常や合併症で流産や死産を経験した女性はしばしば、裁判にかけられる。アムネスティが連携する地元団体によると、現在、少なくとも16人が裁判中か、収監中だ。
2015年、アムネスティは、エルサルバドルの女性が、この作為的な刑法で女性が直面する問題を明らかにし、また、対象となる女性のほとんどが貧しい人びとであると報告している。
アムネスティ国際ニュース
2019年9月6日
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