- 2019年9月25日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:インド
- トピック:
ジャム・カシミール州のファルーク・アブドラ元州首相が、公安法の適用を受けて逮捕された。8月5日以来報道管制が敷かれる同州では、公安法を乱用した人権侵害が多発している。
インド政府は、公安法改正を約束しているにもかかわらず、敵視する同州の政治家に同法を適用し、締め付けを続けてきた。その結果、何千という政治家や活動家、記者らが、行政上の拘禁措置を受けて、沈黙を余儀なくされている。
背景情報
インド政府は、8月5日以来、自宅軟禁に置いていたアブドラ氏に対し、「公共の秩序を乱した」という公安法にもとづく容疑で逮捕命令を出した。
公安法は、インドがジャム・カシミール州で古くから悪用してきた歴史がある。行政的措置による拘束・拘禁を認める同法を適用することで、刑事司法に求められる説明責任、透明性、人権尊重を回避している。
8月5日、インド政府は、同州の自治権を認めている憲法の規定廃止を一方的に決定した。ここ数日は、治安部隊を増派し、電話やインターネットの遮断、集会の規制をしている。また、同地域の主だった政治家を軟禁状態に置き、同州に関する政治的決定は連邦議会が下している。その結果、住民の反発は高まるばかりだ。
インド憲法は、同州に自治権を保証し、外交、防衛、通信を除く自治権を認め、自治権は、インドと同州の関係維持に不可欠とみられてきたが、政府は、この規程を削除する憲法改正案を議会に上程。8月5日に上院で、6日には下院で可決された。
アムネスティ国際ニュース
2019年9月17日
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