- 2019年10月 9日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:
通信検閲当局のロスコムナゾル(通信・情報技術・マスメディア監督庁)は10月1日、独立系通信社「フェルガナ・ニュース」サイトへのアクセスを遮断した。強権を振るう当局による表現の自由への弾圧である。
2012年に連邦法改正があり、当局による電子メディアへのアクセス制限・停止が可能になった。この法改正自体、問題があるが、今回の対応はその法をも破った強引なものだった。
連邦法は、アクセス制限にあたっては、プロバイダーに事前に警告を発し、サイト所有者に指摘された点に対処する十分な時間を与えるものと定めている。サイトの閉鎖は、プロバイダーあるいはサイト所有者が、違法とされる内容の削除やアクセス制限を怠ったり、拒否したりした場合に限っている。しかし、今回、ロスコムナゾルは、何の事前警告も指摘もなく閉鎖命令に及んだ。
誰の目に留まることなく、ニュースサイトを遮断できると思ったのだろうが、そううまくはいかない。フェルガナのような独立系報道機関は、ロシアでは数少ないが、熱心なファンが国内外にいる。当局は、フェルガナに対する卑劣な閉鎖措置を直ちに取り消さなければならない。
背景情報
フェルガナ・ニュースは1998年に創設された報道機関で、中央アジアのさまざまなニュースをオンラインで発信している。中央アジア5カ国でも、ウェブサイトへのアクセスがしばしば制限されてきたが、現在はトルクメニスタン以外は、アクセス制限をかけられていない。
アムネスティ国際ニュース
2019年10月2日
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