ロシア連邦:コロナ対応を批判した医者を逮捕

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2020年4月24日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ロシア連邦
トピック:

(C) AlyansVrachey / Twitter
(C) AlyansVrachey / Twitter

医療労働者組合の代表を勤めるアナスタシア・ヴァシリヴァ医師は、新型コロナウイルスに対応する医療体制に不備があると指摘したために、逮捕された。

4月2日、ヴァシリヴァさんは、医師連盟の同僚や同行ジャーナリスト数人らとロシア西部ヴゴロド県の村へ入ろうとしていた。一行は、ボランティアとしてこの地域の病院の医療関係者にマスクなどの感染予防用品を届けるところだった。ところが、村の入り口で当局に拘束されてしまった。

その後、全員が、非常事態の行動規則違反容疑に問われ、保釈された。警察署を出るとき、ヴァシリヴァさんだけは、行く手を阻まれ署内に強引に引きずり込まれた。腹部を強烈に殴られ記憶を失ったという。その後、警官の命令に背いた容疑も加えられた。

警察は、ヴァシリヴァ医師らが、移動制限を破ったからだ主張し、逮捕を正当化しようとしている。しかし彼女たちは、地方の病院の医師たちに必要な防護具を届けようとしていただけである。

拘束したことで当局は、新型コロナウイルスに関する国の説明に反論し公衆衛生制度の欠陥を指摘する医療専門家を処罰するという、真の狙いをさらけ出してしまった。

コロナ危機との闘いの最前線で、健康の権利を擁護する医療プロであるヴァシリヴァさんを逮捕し罪を着せるとは、常軌を逸している。

当局は、命にかかわる感染よりも、自分たちへの批判のほうを恐れている節がある。

情報へのアクセスは、健康に対する権利の重要な要件のひとつである。

現在進められている対応策について、誰もが知る権利がある。この権利を保障できなければ、公衆衛生施策は弱体化し、市民は健康危機に直面する。

ロシア当局は、即時無条件にヴァシリヴァさんを釈放するとともに、逮捕時の暴力行為の申し立てについて捜査すべきである。

アムネスティ国際ニュース
2020年4月3日

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