- 2020年5月20日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:フランス
- トピック:難民と移民
(C) Anadolu Agency / Contributor
オリーブ農場主セドリック・ヘロウさんが、庇護希望者に宿を提供するなどしたために非正規入国を手助けした罪に問われていた裁判で、リヨン控訴裁判所は一審の有罪を覆し、無罪判決を言い渡した。
欧州全土で庇護希望者への思いやりを示す支援行為が犯罪となっているだけに、今回の無罪判決が持つ意味は、大きい。
これは、法的な勝利だけでなく、社会的良識の勝利だとも言える。
ヘロウさんは、欧州で悲惨な状況に置かれている庇護希望者たちに思いやりを示しただけであり、そもそも、起訴されるいわれはなかった。
フランス憲法評議会は2018年、人道支援は犯罪ではないと裁定した。この判断と今回の無罪判決を契機に、フランスは、非正規に入国した難民・移民支援を違法とはせず、物的利益が伴う密輸のみを犯罪とするように法改正をすべきだ。
背景情報
ヘロウさんは2017年、イタリアとの国境で庇護希望者や移民の非正規の移動、滞在、入国を手助けしたとして、第一審で有罪判決を受けた。
憲法評議会の「ほう助罪」見直しを経て、現在、人道支援は違法行為から除外されているが、「非正規入国のほう助」は違法扱いのままで、訴追には行為に伴う物的利益の有無は必要とされていない。手を差し伸べる行為が依然として犯罪とみなされ、その点で、フランスの法律は国際法と相容れない。
アムネスティ国際ニュース
2020年5月13日
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