ジンバブエ:労働環境の改善求めた看護師13人がロックダウン違反で起訴

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2020年7月14日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ジンバブエ
トピック:

JEKESAI NJIKIZANA/AFP via Getty Images
JEKESAI NJIKIZANA/AFP via Getty Images

ジンバブエで、新型コロナウイルス対策としてロックダウン(都市封鎖)が行われる中、労働環境改善と賃上げを求めた看護師13人が、ロックダウン規定に違反した容疑で逮捕され、起訴された。

この摘発には、劣悪な環境で低賃金での労働を強いられる医療従事者が集まって声を上げることを、阻止する狙いがあるのは明らかだ。医療従事者や彼らを支援する人たちの声を封じるため、当局は、わざわざロックダウン規定を持ち出してきたといえる。

看護師たちは、低賃金と労働環境の改善に一向に取り組まない経営陣に苛立ちを募らせ、それが抑えきれなくなっていた。医療従事者の労働環境は、ジンバブエで発生している他の労働争議と同様、国が医療従事職を軽視し、適切な報酬を支払ってこなかったところに問題がある。

当局は、労働条件や職場環境の改善を求める医療従事者に対する取り締まりをやめ、彼らの要望に真摯に耳を傾けるべきだ。医療従事者に耳を傾け、医療現場の実態を把握することは、感染拡大を効果的に封じ込める上で欠かせないことだ。

背景情報

7月6日、サリー・ムガベ病院に勤務する看護師13人が、新型コロナ対策を定めた公衆衛生法に違反したとして逮捕された。看護師たちは、賃金と労働条件をめぐる労使交渉についての会合を開くところだった。

逮捕された看護師のうち、2人は自ら容疑を認めて罰金を払って保釈され、残る11人は出廷後、週に一度、警察に出頭する条件で保釈された。今後の裁判で有罪なら、1年以下の実刑もしくは罰金が科される可能性がある。

公正で妥当な労働条件に対する権利は、ジンバブエも加入する経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約でも定められている。

この規約には、公正な賃金、同一価値の労働に同一賃金、安全で健全な労働環境、労働時間の合理的上限設定、妊娠中の労働者の保護、平等な雇用などが定められている。

アムネスティ国際ニュース
2020年7月7日

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