- 2020年11月16日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ミャンマー(ビルマ)
- トピック:企業の社会的責任
(C) AFP/Getty Images
日本の飲料メーカー大手キリンホールディングス(キリン)は11月11日、ミャンマーにおける2つの合弁事業で提携するミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)への配当金支払いをすべて停止すると発表した。
この発表に先立つ9月、アムネスティは調査報告書の中で、キリンなどのグローバル企業とMEHLの提携事業の収益が、国際法違反の残虐行為に手を染めるミャンマー国軍の部隊や幹部にわたっていることを明らかにした。MEHLとキリンとの合弁企業ミャンマー・ブルワリーとマンダレー・ブルワリーもこの指摘に含まれていた。
配当金支払い停止の決定は、同社がミャンマーにおける人権義務を真剣に受け止めていることの表れであり、一つの重要な前進と言える。
国軍は、ラカイン州、カチン州、シャン州北部でロヒンギャなど少数民族に対して残虐行為を繰り返してきたが、アムネスティは、軍とMEHLとのつながりを、度々、明らかにしてきた。MEHLと提携する企業は、国軍の凶悪な行為に連座するリスクを冒しているのだ。この点から、アムネスティは今回のキリンの決断を歓迎する。
とはいえ、配当金支払いの停止だけでは、不十分だ。提携相手のMEHLには、建設的なビジネス関係の構築や組織の抜本的改革への意欲が、まったく見られない。この会社に適切な人権デューディリジェンス(企業活動が人権に及ぼす負の影響を回避・軽減するために、予防的に調査・把握を行い、防止・是正する継続的なプロセス)を期待することは、できない。
キリンは、ミャンマーでの事業収益の行先を把握するために、デロイトトーマツに調査を依頼している。調査結果が出ればそれを受けてMEHLとの業務関係を完全に断つべきだ。
アムネスティ国際ニュース
2020年11月11日
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