- 2021年1月 7日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ハンガリー
- トピック:性的指向と性自認
© Amnesty International
ハンガリー議会は12月15日、婚姻関係にないカップルに養子縁組を認めない法案と、LGBTI(レスビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、インターセックス)の人びとの権利をさらに制限する2つの憲法改正案を可決した。これを受けて、主要人権団体が議会の決定を批判する声明を出した。
アムネスティ・インターナショナル・ハンガリー支部
差別法と憲法改正が成立したことで、12月15日は、ハンガリーのLGBTIの人びとにとって、また人権にとって悪夢の日となった。新型コロナウイルスの大流行による混乱に乗じて、議会は、同性愛者やトランスジェンダーを排除する差別的法律を成立させた。またしても、LGBTIの人びとが標的になった。
国際レズビアン・ゲイ協会(ILGA)
新法の成立で、LGBTIの人びととその子どもの権利が、一層制限されることになった。異性カップルにしか養子縁組が認められなければ、LGBTIの人びとの子どもは、自分が誰の子なのか説明できなくなり、安全で暖かい家庭生活を奪われることになる。LGBTIの人びとを差別する法案を駆け足で成立させたことで、彼らを排除する国の姿勢が、あらためて浮き彫りになった。
トランスジェンダー・ヨーロッパ
今年初め、トランスジェンダーの人びとは、名前や法的な性別を変えることができなくなった。社会の風当たりが強くなる中、トランスジェンダーの子どもや大人の健康で安全な生活が守られるのか、不安は尽きない。私たちは、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長に対し、欧州委員会の法の支配に関する評価と進行中のハンガリーに対する法的手続き(少数弱者を含む人びとの人権尊重という欧州委員会の基本的価値を踏みにじった疑いがもたれている)の中で、LGBTIである親の権利、多様なジェンダー家庭の子どもを社会から排除しようとする動き、法的な性別変更の禁止について取り上げるよう求めている。
背景情報
ハンガリー議会は、未婚のカップルの養子縁組を認めない法案を可決した。また、母親は女性で、父親は男性であること、出生時の性の変更を認めないという2点の憲法改正も成立させた。この結果、トランスジェンダーやインターセックスの人びとへの差別意識が高まるおそれがある。
アムネスティ国際ニュース
2020年12月15日
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