- 2021年2月 8日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ウガンダ
- トピック:
ウガンダの反政府武装組織「神の抵抗軍(LRA)」が、同国北部で犯した行為をめぐり戦争犯罪などの罪に問われていたドミニク・オングウェン元幹部に対し、国際刑事裁判所(ICC)は2月4日、有罪判決を言い渡した。
オングウェン被告はLRAの幹部の一人として軍事戦略の立案と実行を指揮、戦争犯罪と人道に対する罪に問われた行為には、民間人への襲撃、殺人、強かん、(性的)奴隷化、強制結婚、拷問、子どもの徴兵、略奪、財産の破壊、迫害などがある。2005年に逮捕状が発行され、2015年、中央アフリカ共和国にいたところを米国とアフリカ連合の特別部隊に拘束され、その後、ICCの監督下に移された。
今回、有罪判決が出たことで、原告側の被害者4,000人に賠償措置が取られることを期待したい。同時に、賠償対象は、原告だけでなく、裁判に参加しなかったLRAによる拉致や殺害の被害者にも拡大されなければならない。彼らもまだ、被害に対する正義を受けていないのだ。
判決を言い渡すにあたり、裁判官は、LRAによる襲撃など凄惨な犯罪の犠牲になった人びとの名前を読み上げるという異例の対応を取った。一人ひとりの名前を読み上げることで、被害者が負った傷の深さや犠牲となった人びとの命の尊さを訴え、また、 被害者がICCの裁判に参加することの意義を確認したのだ。
背景情報
ICCは2004年、ウガンダでの捜査を開始した。捜査の結果、LRAの他の2人の幹部にも、逮捕状が出されたが、いまだ逃走中だ。国防省の管轄下にあるウガンダ人民防衛軍も、国際法上の犯罪を犯したとされるが、ICCは、まだ捜査に着手していない。
なお、オングウェン被告には、控訴する権利が与えられている。
アムネスティ国際ニュース
2021年2月4日
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