- 2021年3月19日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:日本
- トピック:性的指向と性自認
© Amnesty International
日本の札幌地方裁判所は3月17日、同性婚を認めないのは憲法に違反するとの判断を示した。婚姻の平等に関する司法判断としては、日本で初めてとなる。
平等の権利を求める同性カップルにとって、同性カップルに婚姻関係を認めないのは差別的で違憲だとする判断は、画期的だ。同様の訴訟を起こしている他の同性カップルにとって、重要な先例となる。
日本は、LGBTI(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー・インターセックス)の人びとの権利を尊重し保護する法整備で遅れをとってきた。与党によるLGBTIに関する「理解増進法」案は内部検討が長年続いている。野党も市民団体も、それぞれ別の法案を準備しているが、いずれも法制化には至っていない。政府はこれ以上の先送りをやめ、同性カップルがさまざまな状況で直面する差別がなくなるよう、関連法、政策、慣行の抜本的な見直しを進めなければならない。
背景情報
婚姻が認められないのは憲法違反であり、立法の不作為だとして北海道の同性カップル3組が国に対し、1人100万円の損害賠償を求める訴訟を札幌地裁に起こしていた。
日本では、この3組を含む同性カップル13組が一斉に、2019年2月14日のバレンタインデーに同様の訴訟を起こした。同年9月に別の同性カップルが起こした訴訟では、現在3組が闘っている。
今回、札幌地裁は、国は「法の下での平等」を定めた憲法第14条に違反したと裁定した。一方で、損害賠償については認めなかった。
日本では、性的指向、性自認に基づく差別、インターセックスであることに基づく差別を禁止する法律はいまだに導入されていない。
アムネスティは、日本政府に対し、LGBTIの権利の尊重と、性的指向、性自認に基づく差別、インターセックスであることに基づく差別を禁止するなど、幅広く権利を認める法律の制定をこれからも求めていく。
アムネスティ国際ニュース
2021年3月17日
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