- 2021年3月31日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ミャンマー(ビルマ)
- トピック:
(C) Photo by Kaung Zaw Hein/SOPA Images/LightRocket via Getty Images
国軍の市民への暴力が激しくなるミャンマーで3月27日、少なくとも市民 91人が、治安部隊に容赦なく殺害された。犠牲者の中には、5歳の男の子や自宅にいて殺された子どもたちもいる。
これらの犠牲は、軍当局がクーデターへの抗議の一掃に手段を選ばない結果であり、国軍にこれまで十分な圧力をかけてこなかった国際社会の批判を、平然と無視する軍幹部の姿勢の表れでもある。軍当局は前日、「抗議すれば、頭部に銃撃を受けるおそれがある」と警告していた。
国際社会の不作為の代償が、90人を超える犠牲者を出すことになった。死者数が急増する中、ミャンマーの5千万人以上の市民は、拘束や監視をされる危険、暴力と死の恐怖の中で暮らしている。刻々と犠牲者が増える中、悲嘆にくれながらも、人びとは抗議活動を続けている。
この日、国軍記念式典が首都ネピドーであり、中国とロシアなど数カ国からの出席があった。ミャンマーに大量殺りく兵器を提供してきた両国は、国軍幹部が戦争犯罪などの責任を問われるたびに、彼らを擁護してきた。国連安全保障理事会理事国が、終わりのない国軍の残虐行為に対し実効性ある行動を起こすことを拒み続けているのは、恥ずべきことだ。
背景情報
メディア報道によると、国軍は3月27日、ヤンゴンやマンダレーなどの主要都市で100人近くの市民を殺害した。ビルマ政治犯支援協会よると、クーデターが発生した2月1日以降、3月26日までの死者は、少なくとも328人に達するという。
アムネスティの調べでは、抗議する人びとの中には、火炎瓶、(石や玉などで攻撃する)ぱちんこ、空気圧銃など手作りの武器で抵抗する人もいなくはないが、抗議は概して平和的だった。だが、国軍は、殺傷力ある武器を違法で過剰に使用している。
主要都市以外の地域では、国軍と少数民族の武装集団との武力衝突が、激しさを増している。今後、大規模な残虐行為や紛争の拡大、国内避難民の急増に発展しないかが懸念される。国内避難民は、すでに30万人を超える。
アムネスティは国連安保理に対し、ミャンマーに武器輸出の禁止措置を科すこと、また、ミャンマーの事態を国際刑事裁判所に付託することを求めている。ロヒンギャなど少数民族への残虐行為への責任が問われるミンアウンライン最高司令官ら軍幹部に金融制裁措置を取ることも必要だ。
国連事実調査団は、戦争犯罪、人道に対する罪、ジェノサイド(大量虐殺)の罪で国軍幹部の捜査と処罰を求めてきた。
アムネスティ国際ニュース
2021年3月27日
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