- 2021年5月 3日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:
© AFP via Getty Images
ロシアでは、反体制派活動家のアレクセイ・ナワリヌイさんの釈放を求める抗議デモが全土に拡大する中、デモ参加者への弾圧を強める当局により、少なくとも1,700人が拘束された。
4月21日、ロシア各地で何万人もの市民が街頭に繰り出し、ナワリヌイさんの恣意的収監の停止を求めた。またしても、多くの都市でデモ参加者がしばしば過剰な力を行使する治安当局に一斉拘束された。モスクワでは警察は暴力を振るわず、拘束者も1人もださなかったが、サンクトペテルブルクでは、警察がテーザー銃(銃型スタンガン)を無差別に使用し、拘束した人たちが殴打されることもあった。
当局による平和的なデモ参加者の大規模拘束により、ロシアの人権危機はさらに深刻な状況に陥っている。当局は、反体制派の徹底的な封殺にますます躍起になっている。ナワリヌイさんを拘束し、「過激主義的」というレッテルを貼って同氏の活動を禁じようと画策し、さらに暴力と大量拘束で支持者を押さえつけている。
ロシア全土の反体制派を根こそぎ拘束するとしても、そもそも留置所が足りない。また、全世界が注視する中、基本的自由を徹底弾圧しようとしても続くはずがない。
警察を監視する団体によると、サンクトペテルブルクだけで805人、ロシア全体で少なくとも1,786人が拘束された。モスクワなど複数の都市で、新型コロナウイルス対策違反だとして集会が認められなかった。ナワリヌイさんの広報担当者や反汚職基金の弁護士らは、予防的措置として拘束され、行政罰の対象となる無許可デモへの参加呼びかけで起訴された。
ナワリヌイさんの血液検査を行った医師団は4月16日、「いつ心停止になってもおかしくない」と述べた。
アムネスティは、4月21日に集会と表現の自由の権利を行使しただけで拘束されたすべてのデモ参加者を直ちに釈放するよう求める。また、ナワリヌイさんの即時釈放と、関係する団体を過激派だとして検察が取った同団体の活動禁止手続きを取り下げるよう繰り返し求める。
背景情報
ナワリヌイさんが年初に違法に逮捕・拘束されて以降、大規模な抗議デモは、今回で4度目となった。これまでの3回のデモでは、反政権派の摘発が日常的なロシアでも前例のない11,000人以上が拘束され、100件以上の刑事事件に発展した。ほとんどの容疑が警察官への暴行だったが、12人は、抗議行動の呼びかけが新型コロナウイルス対策違反にあたるとして訴追されている。
アムネスティ国際ニュース
2021年4月22日
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