アフガニスタン:国連特別報告者の任命 人権状況監視へ一歩前進

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2021年10月12日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:アフガニスタン
トピック:

国連人権理事会は10月7日、アフガニスタンの人権状況を調査する特別報告者を任命する決議を採択した。

アフガニスタンで人権問題が深刻化していることを考えると、今回の人権理事会の決議内容は、期待していたような強固な対応とはならなかった。なぜなら、国際法上の犯罪と人権侵害に対する正義・真実・補償の実現には、訴追に向けた調査と証拠収集を行う権限のある、国際的な独立調査機関の設置が不可欠だからだ。

とはいえ、特別報告者の任命は、国連人権理事会によるアフガニスタンの人権状況監視に向け、重要な一歩になることはまちがいない。

市民社会は、特別報告者に提供される人的資源に不安を抱くが、今回の任務は、事実調査、法律面での分析、女性・少女の権利、少数派の人びとの権利、教育を受ける権利、法医学、拷問や非人道的な扱いや刑罰など各分野の専門家チームが支える予定となっている。

この追加支援で、アフガニスタンで行われている多数の国際法上の犯罪や人権侵害に対する効果的な監視と調査が実現されることを期待する。そして、アフガンの人びとが正義・真実・補償を求める上での礎を築いてほしい。

アフガニスタンの人権状況が急速に悪化しているため、特別報告者と支援する専門家らの速やかな人選が必要だ。

背景情報

アムネスティは9月、50以上の国際団体や地域団体とともに、国連加盟国にアフガニスタンの事実調査団またはそれに準じる独立した調査機関の設置を求めた。8月の国連人権理事会の特別会合が、そうした機関の設置を決議できなかったことを受けたものだ。

アフガニスタンでは最近、タリバンによる市民や投降した兵士の殺害、人道支援の阻止などが多発している。国際法上の犯罪にあたるこれらの人権侵害について、アムネスティは9月、その実情を要約した文書を公表した。

学者、記者、市民活動家、女性の人権擁護活動家など数千人が、タリバンから報復を受けるおそれが高まっており、アムネスティは、彼らの保護を求めている。

アムネスティ国際ニュース
2021年10月7日

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