- 2022年2月17日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:危機にある個人
Aleksei Navalny
収監されている反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイさんに対する新たな裁判が、2月15日に始まった。今回は、公金横領と法廷侮辱の罪に問われている。
ナワリヌイさんは現在、でっち上げの、政治的意図に基づく罪で2年半の刑に服している。欧州人権裁判所は、この罪を「恣意的で明らかに不合理」と評した。今回の新たな罪状で有罪になれば、刑期は、最大で15年の刑を科される可能性がある。
ナワリヌイさんの刑期に満足しない当局が画策する今回の裁判は、有刺鉄線が張られた壁に囲まれた刑務所内の、当局が言うところの「公開法廷」で開かれる。報道機関ではなく看守が傍聴する見せかけの裁判は、国際人権法違反であり、ナワリヌイさんの公正な裁判を受ける権利を奪う。
ナワリヌイさんは、ロシア当局の政治的意図で罪を背負わされたのであり、そもそも投獄されてはならなかった。新たな裁判を始める当局には、ナワリヌイさんを短期で釈放する意図がないのは明白だ。
今回の裁判が、一般の傍聴を認めない密室審理になることで、新たな人権侵害を隠そうとしているという当局への疑いは増すだけだ。当局は、裁判を公開し、国内外の法律に従った審理を進め、ナワリヌイさんが公正な裁判を受ける権利を保障しなければならない。
背景情報
ナワリヌイさんは、法廷侮辱罪と公金横領(35,000ドル以上)罪で起訴された。横領は、ナワリヌイさん自身の団体への寄付金を不正流用したというのが検察の主張だ。
審理は、モスクワの東およそ100km、ポクロフの流刑地で行われる。裁判所は、なぜ裁判が刑務所内で開かれるのかを説明せず、また、弁護団や証人、記者らが、どうすればこの厳重な警備の刑務所内に入ることができるのか、説明しなかった。
アムネスティ国際ニュース
2022年2月15日
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