ロシア連邦:ウクライナ侵攻に反対するメディアの検閲と市民の弾圧

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2022年3月 8日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ロシア連邦
トピック:

ロシア政府は、戦争に反対するデモを報道するメディアを検閲し、ウクライナ侵攻に反対するデモを解散させ、抗議する市民を容赦無く取り締まっている。

ロシア全土で何千もの人たちが戦争反対のデモに繰り出す中、プーチン政権は批判の声を徹底的に抑え込み、メディアには政策に賛同するよう強要している。国民の反戦感情が高まるにつれ、ロシア当局は、反戦集会を力ずくで解散させ、メディアの検閲を強化するなど、日に日に弾圧を強めている。

また、政府は、国営企業を使って抗議の声を抑圧している。テレビニュースキャスター、イヴァン・ウルガントさんを降板させ、反戦の手紙を作成した著名ジャーナリストのエレナ・チェルネンコさんを政府の記者会見会場から締め出すなど、報道の自由を完全に無視している。

ウクライナで国際人道法に違反する無差別攻撃を行う中、ロシア国内では、表現の自由と平和的集会の自由を踏みにじり、政権が描く紛争のシナリオを喧伝している。

ロシア政府は、国内の反戦を訴える人たちへの弾圧を即刻、やめなければならない。

背景情報

2月24日、ロシアの連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督庁は全メディアに対し、ウクライナ侵攻の報道では、国の公式発表のみを情報源とするよう命じた。違反したメディアには、ウェブサイトの閉鎖と6万2600ドル(約720万円)以下の罰金が課される。

2月28日、チェコのプラハに拠点を置くロシア語の報道番組Current Time TVが、今回の紛争について「公的に重要な情報を不確かに」報道したとして、監督庁は同社のウェブサイトを遮断した。

2月27日、検察庁が、「外国政府、国際団体、外国の団体、あるいはその代表者による、ロシア連邦の安全を脅かす活動へのいかなる支援も国家反逆罪に問う」という脅迫まがいの声明を出した。

侵攻開始から4日間、ロシア警察は全土に拡大する反戦デモに武力で応じ、ロシアの人権団体OVDインフォによると、少なくとも67の市や町で5,900人以上が拘束された。

2月24日には、政治哲学者グリゴリ・ユディンさんが警察に殴打されて意識を失い、一時入院した。

アムネスティ国際ニュース
2022年2月28日

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