アフガニスタン:アフガニスタンの人権を守る新たな人権団体連合

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2022年3月11日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:アフガニスタン
トピック:

多数の人権団体が結集し、アフガニスタンの劣悪な人権状況の組織的な監視と、人権の保護と侵害や虐待の説明責任の提唱をめざす団体を設立した。

新たらしく立ち上がった「アフガニスタン人権同盟」は、アムネスティ・インターナショナル、フロントライン・ディフェンダーズ、フリーダム・ハウス、フリーダム・ナウ、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、世界拷問防止機構、国際人権連盟、婦人国際平和自由連盟で構成されている。

2021年8月15日、アフガニスタン政府が崩壊し、タリバンが政権を取り戻して以降、国内の人権状況は悪化の一途を辿っている。戦闘は終結したが、深刻な人権侵害は終わることなく続いている。タリバンは、超法規的処刑や強制失踪、拷問、恣意的拘束、女性や少女の権利の重大な軽視、報道機関をめぐる検閲と締め付け、女性人権活動家や社会的地位の高い女性、ジャーナリスト、宗教的少数者、LGBTI(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス)の人びと、前政権支持者に対する報復などを今も続けている。

アフガニスタンの人びとはまた、国際社会、特に米国による、アフガニスタンへの支援金や同国による国際金融システムの利用を阻止する決定などを受け、前例のない人道危機に直面している。

「世界中の人権団体が結集し、アフガニスタンの人びとのために責任追及と正義を求めることが、今ほど必要とされている時はない。アフガニスタンの人びとは、タリバンによる暴力と人道支援危機の二重の苦しみに直面している。国際社会は、彼らを保護するためにできること、すべきことをより多く実行すべきだ」とアムネスティ・インターナショナルのサミダ・ハミリ地域キャンペイナーは語る。

アフガニスタン人権同盟の構成団体は、アフガニスタンで起きているすべての人権侵害と暴力に対する責任を追及すために、共に活動することを目的としている。その活動目的は共同で声を上げ圧力をかけることで、タリバンには人権尊重を求め、国際社会に対しては、タリバン政権の責任を問うとともに、アフガニスタンの人びとを見捨てないという約束を遂行させることにある。

「世界の関心が、一つの危機から別の危機へと目まぐるしく移る中、アフガニスタンの人的大惨事は、今も続いている。アフガニスタンの人びとの中でも、特に女性と少女は、基本的な人権が奪われている。日々起きている侵害の情報を国際社会に届け続け、過去20年以上にわたり、国際社会がアフガニスタンにしてきた約束を果たすよう求めることが、喫緊の課題だ」と国際人権連盟のジュリエット・ルセロット西南アジア・プログラムオフィサーが語る。

アフガニスタン人権同盟では、加盟団体が共同でアフガニスタンにおける意見表明、調査、啓蒙活動、動員、人権侵害と暴力の記録・報告などを行う。また、国連人権委員会、国連安全保障理事会などの国際機関、アフガニスタンの人権状況に関する特別報告者などの国連の専門家、その他の関係者らと連携しつつ、人権状況の組織的・集中的監視、人権侵害や暴力の加害者に対する責任の追求、犯罪者の不処罰に終止符を打つ働きかけなどを推し進める。

「連盟設立を機に、アフガニスタンの人びとに強力な連帯のメッセージを送りたい。さらに、国際市民団体として私たちはアフガニスタンの状況を注意深く監視し、すべてのアフガニスタン人にとって暴力と無縁の国となるよう提言努力を続けていきたい、ということをタリバンと国際社会に伝えたい」と世界拷問防止機構のジェラルド・スタベロック事務局長は話す。

アムネスティ国際ニュース
2022年3月3日

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