ミャンマー(ビルマ):クーデターから2年 人権侵害の歯止めに世界は行動を

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2023年2月 8日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ミャンマー(ビルマ)
トピック:

国軍によるクーデターから2年が経った今も、国軍による恣意的な逮捕、拷問、殺人が続いている。この事態に対し、世界は今こそ、ミャンマー市民との連帯と行動を強めるべきだ。

2020年2月1日のクーデター以降、3,000人近い市民が犠牲になり、150万人が国内避難民になっている。さらに、1万3000人以上が今も非人道的な状況下で拘束され、少なくとも100人が死刑を宣告されており、4人が処刑されたことがわかっている。また、780万人の子どもが、学校に通えない状況に置かれている。

国軍支配に反対しているとみなされれば、空と陸などから容赦ない攻撃を受けることになり、国軍への恐怖心は高まるばかりだ。

市民が人権侵害にさらされ、危機的な状況に置かれていることに対する世界の対応は、驚くほど緩慢であり、その結果、国軍による人権侵害が悪化していることは否めない。ミャンマー市民が置かれている危機的状況が、いずれ忘れ去られるような事態を招いてはならない。

クーデターから丸2年を機に、日々、国軍の弾圧を受けるミャンマーの人びとの保護に向け、世界とASEAN(東南アジア諸国連合)は、早急に行動を起こす必要がある。

身の危険にさらされ、迫害のおそれがある中で、ミャンマーの勇気ある人びとは、抗議活動を続けてきた。アムネスティは世界中の都市でミャンマーの人びととの連帯を示す抗議行動、祈り、イベントなどに参加している。

ミャンマーの人びとのために声を上げることは、単なる行為以上の意味をもつ。人びとの気持ちを高め、暗闇の中で彼らが忘れられた存在ではないことを示すことができるのだ。

一方で、国連と各国は、支援メッセージを送る以上のことをしなければならない。

昨年12月21日、国連安全保障理事会は、ミャンマー国軍に対し暴力の停止や拘束されている人びとの解放を求める決議を採択した。この歴史的採択は歓迎すべきだが、各国政府は、人権を行使しただけで拘束されている人びとの解放に向け、国軍にさらに圧力をかけなければならない。

安保理には、ミャンマーの状況を国際刑事裁判所に付託することも求められている。さらに、世界は、ミャンマーに対する武器、弾薬、軍民併用可能な技術、その他の機器、訓練などの軍事支援を禁止する包括的な武器禁輸措置を講じなければならない。

また、各国の政府や企業は、航空燃料が多数の犠牲者を出す空爆に使われない仕組みが整備されるまで、ミャンマーへの航空燃料の直接的および間接的な供給や販売を停止すべきだ。

国軍による容赦ない人権侵害でミャンマーの人びとは、苦しく辛い日々を送っている。この事態に対して行動を求める声に、多数の国が耳を傾けてはいるが、それだけでは人権侵害は止まらない。国際社会は今こそ、軍の残虐行為に歯止めをかけるために実効性ある対応を速やかに取るべきだ。

背景情報

2021年2月1日のクーデター以降、アムネスティは、軍に反発する市民を弾圧する国軍が行ってきた戦争犯罪などの人権侵害を記録してきた。人道に対する罪が疑われるものもある。

昨年11月には、国軍による違法な空爆の阻止に向け、航空燃料の供給停止を求めるキャンペーンを開始した。実施した調査では、サプライチェーンに深く関与する企業も特定している。

アムネスティ国際ニュース
2023年1月30日

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