- 2023年5月23日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ミャンマー(ビルマ)
- トピック:
ミャンマー国軍は5月3日、国軍や政府職員の士気を損なう発言を禁止する刑法505条(a)に違反したとして収監されていた2,153人に恩赦を与え、釈放した。
先立っての声明の中で国軍は、仏教の記念日にあたる5月1日に「人道的見地」から恩赦を行うと説明していた。
今回釈放された人たちは、2021年2月1日の軍事クーデター以後、国軍に抗議したために逮捕され、刑法505条(a)違反で投獄されていた。
釈放された人たちは、表現の自由と集会の権利などの人権を行使しただけで恣意的に投獄されていたのであり、今回の釈放は遅きに失すると言える。
その上、今も数千人が同様の罪で不当に収監されている。収監中、拷問や虐待を受けているおそれもある。国軍は、この人たちも直ちに釈放すべきだ。
さらに、辛い体験からの回復に必要な医療的、心理的、社会的支援を、釈放された人たちが受けられるようにすべきだ。
国軍は、彼らが再び同じ罪を犯せば、収監すると警告しているが、この警告は、基本的な権利や自由を行使しようとする多くの人たちを萎縮させることになる。
背景情報
政治犯支援協会によると、2021年2月1日の国軍クーデター後、21,000人以上の市民が逮捕され、17,000人以上が現在も拘束されているという。拘束者の中には、文民政権時の幹部、ジャーナリスト、人権活動家、医療従事者らもいる。
アムネスティは、軍事クーデター以降、国軍に抵抗する人たちが弾圧され人権侵害を受ける事態を記録し公表してきた。人権侵害には、戦争犯罪や人道に対する罪の可能性があるものもあった。
また、アムネスティは2022年の報告書で、拘束された人たちの取り調べや収容所内での対応で拷問や虐待が日常的に行われていることも明らかにしている。
アムネスティ国際ニュース
2023年5月3日
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