- 2023年6月21日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ベネズエラ
- トピック:
6月14日、ベネズエラ当局が犯した国際法違反の犯罪をめぐり、人道に対する罪の被害者遺族と「正義のためのクルーニー財団」は、ベネズエラ当局をアルゼンチン連邦裁判所に刑事告発した。今回の告発は、国による人権侵害の被害者が真実・正義・補償を求める上で重要な事例になる。
アルゼンチンの司法当局は、ベネズエラ当局にかけられた容疑を捜査し、明らかな証拠を得られれば、容疑者を起訴し、裁判にかける責任がある。
ベネズエラでは犯罪者への不処罰がはびこっている。「正義のためのクルーニー財団」など複数の団体の強力な支援を受ける中、真実・正義・補償の実現のために被害者が費やしてきた多大な努力が、水泡に帰すようなことがあってはならない。
アルゼンチン連邦裁判所は、被害者に背を向けのではなく、普遍的管轄権への門戸を開き、南米の他の国々が同様の対応をする上での先例を示す必要がある。
今回の訴訟では、2014年以降、ニコラス・マドゥロ政権が実施してきた弾圧政策が問われる。政策の中には、深刻な人権侵害や国際法の犯罪にあたる行為が含まれる。例えば、超法規的処刑、拷問や虐待、恣意的な拘束、過剰な武力行使、政治的動機に基づく訴追などだ。
多くの国際機関とアムネスティをはじめとする人権団体は、マドゥロ政権による反政権派の人たちに対する一連の人権侵害が人道に対する罪にあたることを明らかにしてきた。2019年には国連の「ベネズエラに関する国際独立事実調査団」も、この見解を支持した。
人道に対する罪を糾弾してきた被害者たちは、正義への希望をアルゼンチンに託した。アルゼンチンの裁判所は、だれがどこで罪を犯したかには関係なく、その犯罪が人類全体に害を及ぼすと判断されれば、憲法上の管轄権を有する。
アルゼンチンの司法には、今回の役回りに的確に対処し、役職を問わず犯罪に加担したすべての人物を起訴し処罰することが期待される。
背景情報
国際法の下では、すべての国は国際法に基づく犯罪の容疑者を捜査し処罰する権限を持つ。国際法に基づく犯罪の容疑者が他国の管轄下の地域にいる場合、この権限が義務になることもある。普遍的管轄権の原則は、世界の85パーセント以上の国の少なくとも163カ国で認められている。
アムネスティの調査によると、第2次世界大戦終戦の1945年から2011年までで少なくとも20カ国が最も重大な犯罪について普遍的管轄権に基づく捜査を実施し、裁判を開始あるいは終了した。
実施国としては、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イスラエル、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノールウェー、パラグアイ、スペイン、セネガル、南アフリカ、スイス、スウェーデン、英国、米国などがある。
アルゼンチンでは、フランシスコ・フランコ政権下のスペインであった国際法上の犯罪に対する「アルゼンチン訴訟」が2010年に始まり、ミャンマーであったロヒンギャの人びとの集団虐殺事件の調査が2021年に開始された。
アムネスティ国際ニュース
2023年6月14日
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