ロシア連邦:裁判所がLGBT活動を「過激派」と認定

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2023年12月 9日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:ロシア連邦
トピック:性的指向と性自認

ロシア最高裁が、「国際的なLGBT市民運動」を「過激派」とみなした。これにより、LGBTI(レスビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、インターセックス)に関わる公的な活動が事実上、非合法となる。

この恥ずべき不条理な判決は、LGBTIの人びとやLGBTを擁護する社会運動などに対するロシア当局の対応が新たな段階に入ったことを示している。判決は、結社、表現、集会の自由の権利、差別からの自由の権利に対する広範な侵害をもたらし、LGBTI団体に対する包括的な禁止を招くおそれがある。禁止措置により数え切れない人びとが壊滅的な影響を受ける。

また、今回の判決がLGBTI活動家の迫害につながることは疑う余地もない。数十年にわたる勇敢で献身的な活動が無に帰すことになり、ロシア全土のLGBTIの人びとに対する新たな暴力が引き起こされ、それが合法化されるおそれがある。

アムネスティはロシア当局に、今回の裁定を直ちに見直すよう求める。

国際社会は、ロシアのLGBTIの人びとに連帯し、ロシアの抑圧的な対応に終止符を打つよう要求し、同国のすべての人の平等・自由・正義の原則を守らなければならない。

背景情報

最高裁の判断は、「国際的なLGBTI市民運動」を「過激派」と認定したが、その定義は明確に示していない。ロシア法務省が使ったこの文言は、明確に定義された既存の組織や取り組みではなく、LGBTIの人権を擁護するあらゆる活動、さらにはLGBTIに関するすべての公的な連携を標的にしているとみられる。これを「過激派」と認定することは、LGBTI関連の活動に携わる者、あるいはつながりがあるとみなされる者すべてに、厳しい法的結果をもたらす。刑法に基づき、「参加者」は最高5年、「主催者」と「寄付者」は最高10年の禁錮刑を受ける可能性があるのだ。

「過激派」とみなされると、その団体のシンボルマークやロゴなどの使用が禁止される。違反すれば行政犯罪法違反で最高15日間拘束されるおそれがあり、累犯は刑法犯罪となり最高4年の禁錮刑を受ける。

「過激派」活動に加わったとして捜査や起訴の対象になると、銀行口座の凍結、雇用制限、公的選挙への立候補禁止などの措置を受ける。

アムネスティ国際ニュース
2023年11月30日

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