- 2026年4月 9日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ミャンマー
- トピック:

4月3日、ミンアウンフライン元国軍最高司令官がミャンマーの次期大統領に選出された。軍の最高司令官として数多くの重大な国際法違反を指揮してきたとして責任を問われている人物が、文民の公職に就けば訴追を免れると考えているなら、それは国際司法のあり方ではない。軍服を脱いだとしても、ミャンマーにおける国際法上の重大な犯罪に対する責任の疑いについては、何一つ変わらない。
2021年のクーデターの以前からミンアウンフライン最高司令官のもとで暴虐の限りを尽くす軍の被害を受けてきた多くのミャンマー市民にとって、加害者が訴追されるどころか正式に国の元首となる光景は、深い苦痛をもたらすだろう。また、不処罰が国全体で定着するのではないかと恐れるかもしれない。
いかなる個人も、その地位を問わず、国際法上の犯罪について訴追から免責されるべきではない。国際刑事裁判所(ICC)の検察官は、ミンアウンフライン元司令官に対する逮捕状を請求しており、これが承認された場合、ICC加盟国は同氏が自国領土に入った際に逮捕状を執行する義務を負う。国際社会全体としても、今回の政治的展開を国際法上の義務を無視する口実とするのではなく、同氏がミャンマーを離れた場合には安全な避難先を与えず、速やかな逮捕を確実なものにすべきだ。
同氏と軍内の共犯者とされる者らが、独立した公正な裁判所において責任を問われない限り、ミャンマーにおける不処罰の連鎖は続き、ミャンマーでの人権の保護、促進、実現は、ますます遠のくだろう。
アムネスティはICCに対し、捜査対象であるミンアウンフライン元司令官および軍事政権幹部に対する逮捕状の発付を進めるよう求める。また国連安全保障理事会には、ミャンマーにおける状況全体をICCに付託するよう強く求める。
背景情報
4月3日、ミャンマー国軍の元最高司令官であり、選挙で選ばれた政府を2021年2月に転覆させたクーデターの首謀者であるミンアウンフライン氏が、親軍派で占められた議会で大統領に選出された。選挙は、武力紛争が続き、深刻な人権侵害がまん延する抑圧的な環境下で、軍政が強行したもので、国際的な監視団などからは不正なものだと一蹴されている。
2021年2月のクーデター後、ミンアウンフライン最高司令官率いる軍事政権は、市民に対する大規模な恣意的拘束、摘発、抗議行動への暴力的弾圧、違法な空爆などを行い、これまでに7,000人以上の民間人が死亡した。クーデターで投獄された前大統領のウィンミント氏や事実上の文民指導者だったアウンサンスーチー氏、その他数名は、5年以上が経った現在もなお収監されたままだ。
ミンアウンフライン氏はまた、アムネスティが2018年6月の報告書で人道に対する罪を主導したと名指しした13人のうちの1人でもある。同報告書は、2017年8月、ラカイン州でロヒンギャ武装勢力による襲撃事件の後に行われた少数民族ロヒンギャに対する軍事作戦において、この13人が人道に対する罪を直接または指揮責任を負っていたとする、広範かつ信頼性の高い証拠を示している。
さらに2024年11月、ICCの検察官は、2017年にラカイン州からバングラデシュへとロヒンギャの人びとを追いやった際にミャンマーとバングラデシュで起きた追放と迫害という人道に対する罪について、ミンアウンフライン氏らに対する逮捕状を請求した。しかし現在まで、同請求は係属中であり、捜査対象となっているミャンマー軍政関係者に対する逮捕状は公表されていない。
これとは別に、ロヒンギャに対するジェノサイドをめぐりガンビアがミャンマーを相手取って提起した国際司法裁判所(ICJ)の訴訟では、暫定措置が命じられており、今年1月に本案の審理は終了した。
アムネスティ国際ニュース
2026年4月3日
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