米国:海上での超法規的殺害 死者200人に迫る

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2026年5月30日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:米国
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米議会および国際社会は、米軍による海上での良心を欠いた超法規的殺害を直ちに停止させ、責任を追及するために緊急に行動を起こさなければならない。死者数は200人に迫っている。

2025年9月以降、米南方軍はカリブ海および東太平洋で船舶を標的とした空爆を60回近く実施し、これまでに少なくとも196人が死亡している。生命に対する差し迫った脅威をまったく及ぼさない人びとに対して行われたこうした行為は、法的手続きを経ない不当な処刑、つまり超法規的殺害という殺人行為であり、国際法上の犯罪に相当する。

死者数は200人近くに上り、こうした超法規的殺害が常態化しつつある。違法であるだけでなく、道義にも反する殺害であり、良心ある人びとは放置してはならない。しかし、議会はこれまでのところ、この致命的で違法な作戦を阻止することも、ペースを鈍らせることすらできていない。

この作戦での最初の超法規的殺害は、2025年9月2日、カリブ海の船舶に対する空爆として実行され、少なくとも11人が死亡した。現在に至るまで単一の攻撃としては最も多くの死者を出したものだ。

その後、米国は爆撃を東太平洋にも拡大し、両地域を合わせて月平均6回の空爆を実施している。犠牲者が最も多かった2025年10月には、11回の空爆により45人が亡くなった。このうち、10月27日の3回の空爆では15人が死亡、作戦開始以来、1日で最も多くの犠牲者を出した。今年に入ってからも、米軍はすでに70人以上を殺害しており、4月だけで少なくとも9人が命を落としている。

数字だけでは、海上でのこの恐ろしい殺害作戦がもたらした想像を絶する人的被害は捉えきれない。米国が海上で殺害した一人ひとりが、生きる権利を不当に奪われたのであり、本人と家族には正義を求める権利がある。議員は、この作戦を阻止し、こうした超法規的殺害に関与したすべての者の責任を追及するために、あらゆる力を尽くさなければならない。

空爆に対する政権側の正当化は混乱を極めている。ホワイトハウスの高官は、何ら証拠を示さず、犠牲者の氏名すら一人も挙げないまま、標的は米国が戦争状態にある麻薬密売人あるいは「麻薬テロリスト」だと主張してきた。しかし、米国は西半球において爆撃を正当化し得る武力衝突には関与しておらず、政権側はいまだにその「麻薬テロリスト」集団が誰かすら明らかにしていない。4月の上院公聴会で、バージニア州選出のティム・ケイン上院議員が、米軍が誰を殺害しているのか情報がまったく欠如している点について質した際、ピート・ヘグセス国防長官は標的は身元不詳の「指定テロ組織」と関係があると述べるにとどまり、実際に犠牲者の身元を把握しているかどうかについては言及しなかった。

一方で米当局は、空爆を生き延びた者を訴追しない方針をとっている。これは仮に麻薬密売の疑いが事実であったとしても、有罪立証に足る証拠を持っていないことを示唆しており、拘束した人びとを起訴することなく解放している。下院軍事委員会の公聴会でビル・キーティング下院議員が空爆や船舶拿捕の違法性について懸念を示した際、ヘグセス国防長官は「事実無根の非難だ」として退けた。

今、私たちは無法の極みを目のあたりにしている。政府が一方的に「犯罪者」や「テロリスト」とみなした人びとを軍事行動によって殺害し、それをソーシャルメディアで自慢げに語り、説明を求める議員に対しては返答を拒んでいるのだ。犠牲者が犯罪に関与していたかどうかにかかわらず、こうした殺害は米国法および国際法の双方において、完全に違法だ。犯罪容疑者への対処は、国際人権法の拘束を受ける法執行機関によって行われるべきであり、生命に対する差し迫った脅威が存在し絶対的な必要性に迫られない限り、致死的な武力の行使は認められない。

こうした空爆は、西半球における近年例のない規模の軍備増強のなかで行われている。ヘグセス国防長官が提唱する「グレーター・ノースアメリカ(大北米)」という地政学的枠組みは、赤道以北のすべての主権国家と領域を「即時の安全保障圏」に含めるものであり、さらにホワイトハウスが各地の指導者に対して国際人権法を無視するよう促していることと相まって、政権がこの地域でどのような行動に出るのかについて、深刻な重大な懸念を抱かせる。

アムネスティは米議会に対し、利用可能なあらゆる立法措置、監督権限を緊急に行使してこれらの空爆を阻止するとともに、南北アメリカ大陸で治安の軍事化促進をやめさせるよう、求めている。治安行動の軍事化は、メキシコやエクアドルで起きている人権侵害をさらに拡大させるだけである。米国の軍事行動は、世界のどこであれ、いかなる大義名分のもとであっても、人権を犠牲にしてはならない。

アムネスティはまた、国際社会に対しても米国政府の責任を追及するよう要請している。

米国当局だけでなく、この地域の他の政府や米州機構によるリーダーシップが必要だ。米軍による超法規的殺害は人権と国際法の尊重に対する深刻な脅威であり、国際社会は断固として非難の声を上げなければならない。各国政府は、こうした作戦に加担する可能性のある情報共有を直ちに停止すべきだ。また、殺害の継続に使用されるおそれのある防衛関連物資の輸出許可も停止しなければならない。

アムネスティ国際ニュース
2026年5月28日

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